奥の細道
月日は百代(はくだい)の過客(かかく)にして、行きかふ年もまた旅人なり。
舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老を迎ある者は、日々旅にして、旅をすみかとす。
古人も多く旅に死せるあり。
予もいづれの年よりか、片雲の風に誘はれて、漂白の思ひやまず、
海浜にさすらへ、去年(こぞ)の秋、江上の破屋(はおく)に蜘蛛の巣をはらひて、やや年も暮れ、春立てる霞の空に、白河の関越えんと、そぞろ神の物につきて心を狂はせ、道祖神の招きにあひて、取るものも手につかず。
ももひきの破れをつづり、笠の緒つけかへて、三里に灸(きゅう)すうるより、松島の月先づ心にかかりて、住める方は人にゆづり、杉風(さんぷう)が別しょに移るに、草の戸も住みかはる代ぞひなの家
面八句(おもてはっく)を庵の柱にかけておく。
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奥の細道の序文は、中学3年生の頃に授業で覚えさせられて、テストを受けた記憶があります。今から53年前の話です。高校2年生の古文の時間に朗読をさせられた時に、教科書を見ないでも読めたのですが、クラスメートに驚かれたら困るので、敢えて教科書を見ながら読みました。でも立て板に水の如くスラスラ読んだので、少し驚かれました。(笑)
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コメント
大学の4回生の時にゼミの教授に将来の進路につて相談しました。教授は2つの進路を提案してくれました。
一つは私の専門の経営学を生かした経営コンサルタント会社、もう一つは海外旅行会社でした。
経営コンサルタントは収入も将来の独立もなかなかいい条件でしたが、どうしても芭蕉と西行に憧れていた私は旅行会社を選びました。
○○通運の海外旅行部門に教授と学長の推薦状をもらって難関を突破することが出来ました。
学生時代旅ばかりをしていたので、社会人になっても旅暮らしは苦痛ではありませんでした。
芭蕉の旅と彼の人生がシンクロして生きているのが憧れでした。
今は西行の「願わくば花のもとにて春死なむ、その如月の望月のころ」と詠んで自分の死の日から逆算して食を絶った気障な生き方もわがままでいいなと思います。
【回答】
貴方の人生も七転び八起きですね。
色とりどりの人生は、天国に行った時に人生を振り返ると、十分満足できるでしょう。
投稿: 京都在住 | 2019/05/29 08:51