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透析継続の判断…生と死

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先日のニュースで、公立福生病院の外科医が透析中の女性患者さんに、「透析を止めるという選択肢もある」ことを告げ、その患者さんは、透析を中止し、1週間後に亡くなりました。
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腎臓病患者の40代女性が人工透析治療を中止し、死亡していた公立福生(ふっさ)病院(東京都福生市)で2013年以降、ほかに患者約20人が透析治療をしなかったことが分かった。このうち死亡した患者も複数いるとみられる。都は、死亡に至る経緯や透析中止などに関する日本透析医学会の提言に照らして適切だったかどうかなどを調べている。

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私も含め透析中の患者さんは死と隣り合わせです。家族や周囲の人々に時間的にも金銭的にも肉体的にも多大な迷惑かけています。週3回4時間もかけて透析をしながら生きているのです。そんな自分にただ生かしてもらうだけの価値があるのか?と常に自問自答しているのです。私は医師として多くの病気で苦しみ悩む患者さんを助けることで、ひたすら自分の生きる価値を見出そうとしています。

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私でさえ、このような精神状態ですから、今回の事件で亡くなられた患者さんたちのように、担当の医師から透析を止めて死を選ぶのも人生の選択肢だと説得されれば、心は容易に傾くでしょう。今回の医師の考え方は、辛い環境の中で耐えている患者さん目線ではなく、社会的にも経済的にも恵まれた環境である医師の上から目線の結果でしょう。

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コメント

この事件の報道を見てたまらない気持ちになりました。
命というのは物なのでしょうか?
この医師たちの感覚が解りません。
彼らが特別ならいいのですが日本の医師たちのスタンダードだったらと恐ろしい気持ちがします。
今日の午後から京大の医学部の医師たちによる「健康塾」があります。
今日のテーマは「高齢者にとって薬は百薬の長か?」です。
年に2回無料で講演とコンサートが医師や患者のために模様されます。
きっとこの会場で、この事件のことが話されると思います。(質疑応答があります)
主催されているご自身もがん患者である名誉教授(82歳)は,いつも患者とともにに生きるのが幸せで私の使命だとおっしゃっています。
高橋先生は例え患者を助けなくても十二分に透析をされる価値がおありです。
このことは自信をもって言えます。
楡本店での先生の写真を拝見して先生には生命があふれていました。
★回答
元気をお与え下さり、ありがとうございます。

投稿: 京都在住 | 2019/03/09 09:50

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