無責任

ある患者さんのエピソードです。

頻尿（1日18回）とお腹の痛みとオシッコが出にくいことで苦しんでおられたご婦人です。
地元の泌尿器科を受診したところ、残尿が200㎖を超えていたので神経因性膀胱と診断され、自己導尿を指導されました。
当院を受診して排尿障害が認められ、薬剤による保存的治療を行いましたが、頻尿が収まっただけで痛み症状が治りませんでした。その後、地元の泌尿器科を受診したところ、子宮筋腫が見つかり、痛みが治らないのは、それが原因と言われて婦人科での手術を勧められました。患者さんは、この苦しみから解放されたくて悩んだ末に手術を受け入れたのです。
しかし、症状は改善しませんでした。私の処方する薬剤による保存治療では満足が得られず、排尿障害の治療手術を決断しました。術後、一時的に排尿の状況は改善しましたが、再び出が悪くなり、久しぶりにお越しになりました。

その際にお聞きしたお話しです。出が悪いのは膀胱炎かも知れないと思い、以前受診した地元の泌尿器科に行かれました。「子宮筋腫の手術をしても治りませんでした。」と同じ先生に訴えたところ、「膀胱と子宮筋腫は関係ないよ！」とおっしゃったそうです。「え〜？でも先生は子宮筋腫と関係があると…」すると「…○△✖️♯□〆$♫…」と訳の分からないことを言って誤魔化したのです。何と無責任なことか！！

1回目の手術で多少なりとも排尿が改善したこともあり、患者さんは2回目の手術を悩んでおられます。私も神経因性膀胱の奥深さを十分に認識していますから、患者さんが決断された際には、私も覚悟しなければなりません。小さな街の名もない開業医ですが、私は責任を持って医療に従事します！
その患者さんが、私が病気で短命にならないようにと地元の聖寶朱院のお札をプレゼントして頂きました。ありがとうございます。頑張って長生きします。