私が気がついた病気の本質
私が開業医となり29年間に経験した、原因不明と思われる病気の患者さんが次にあげる症例です。
❶慢性前立腺炎
下半身のいろんな不快感・不定愁訴を持った男性患者さんの病気です。神経症・気のせい・自律神経失調症と、多くの人が誤診されます。
❷間質性膀胱炎
頻尿と痛みを伴うご婦人に多い病気です。膀胱が小さくなって頻尿になるからと言って、膀胱を膨らます膀胱水圧拡張術を無理やり実施されます。平均7カ月で再発するので繰り返されます。
❸非細菌性慢性尿道炎
尿道の不快感と尿道からの分泌液で悩む男性です。様ざまな抗生剤・抗菌剤を繰り返し使用されても治りません。
❹膀胱疼痛症候群
尿路感染症が認められないのに、痛みがとても強いご婦人です。
❺血精液症
射精した精液に血が混じって驚き悩む男性の病気です。
❻陰部掻痒症
原因不明の「陰部湿疹」と誤診される男性のナカナカ治らない病気です。
❼幻臭症
オシッコが漏れてもいないのに、自分がオシッコ臭くて仕方がないという男性に多い病気です。周囲の人は臭わないので、精神疾患と誤診されるのです。
❽PSA異常値
触診でもエコー検査でもMRI検査でも、前立腺に異常が認められずに何回も針生検されて苦しむ男性患者さんがいます。そして何回も針生検されて肉体的にも精神的にも苦しまれた患者さんです。
ここまでは、下半身の主な病気です。次に上げるのが、下半身の病気とは思えない病気です。
①舌痛症
ストレスが原因と思われる、舌が痛くなるご婦人に多い病気です。向精神薬を何年も服用させられるのです。
②多汗症
緊張すると、たくさん汗をかくヒトです。一般的に汗をかかない手のひらまで汗をかくので、挨拶の握手ができないのです。汗をかかないための手術を受ける人もいます。
③原因不明の慢性胃痛症
胃が重く痛くて仕方がないので、胃カメラで調べても「異常なし」と診断されてストレスが原因ですねと言われてしまいます。
④坐骨神経痛
骨盤から足のつま先まで痛みが走る整形外科の病気です。その原因は椎間板ヘルニアが代表ですが、原因不明と診断される患者さんも多くおられます。
⑤頚椎症
原因不明の寝違いのような首の痛みと首が回らない・回旋障害の患者さんです。
⑥顔面掻痒症
アレルギーと思われる顔の痒みです。アレルギーの薬を飲んでた治らない患者さんです。
⑦手足の振戦・ふるえ
神経質でも脳梗塞でもないのに、手足が無意識に震えるのです。
これら全ての病気の原因に、排除障害が一定の確率で発見されました。そして、その排除障害を中心に治療すると、症状は嘘のように軽快したのです。人間の身体は複雑で微妙です。原因が異なっても、症状が同じ場合もあるのです。診断する医師は、症状だけに振り回されずに、本質を見抜く力を蓄えなければなりません。
ですから、以上のような病気や症状でお悩みの方は、主治医に排尿障害に関連した治療を相談なさってください。
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コメント
排尿障害の治療をしたら手汗が多かったのに全く気にならなくなりました。
自分は新陳代謝が活発なんだと思ってたのですが余分な水分を汗で逃してたということだったんですね。
★回答
おそらく、そうでしょう。
投稿: | 2018/12/02 13:20
今日、知人が今年3回目の水圧拡張を受けます。
ネットを検索していると、世の中にはよく自殺しないで耐えていらっしゃるな、と、思う間質性膀胱炎の患者さんのブログやツイートに出会います。
どうして高橋先生のブログに辿り着けないのだろう?
どうして一度、相談してみようとしないのだろう?
患者とドクターも縁でしょうか?
だとしたら、より良い縁に絡むためには何をすれば良いでしょうか?
私は知人の水圧拡張が、しかも今年だけで3回目で、それがとても悲しいです。
【回答】
それもその人の運命です。
辛い事を何回も選択するという試練です。
投稿: | 2018/12/04 12:39
私は若い頃ある宗教にのめり込んだ時期がありました。
一定の修行を終えたとされる幹部支部長たちは私の顔を見る度に「あんたは長生きする。そういう相が出ている。」と、よく言われていました。
それから数十年たち高橋先生にお会い致した際、
「あなたは長生きすると思うよ。」と、言われ私は若き日の宗教に全力を注いだ日々を思い出しました。
どうしても、今の症状から離脱したくて友人が数年前、ある行者さんのところに連れて行ってくれました。
袈裟をまとった行者さんは「あなたは簡単には死ねないです。あなたは長生きします。」
と、言われました。
この病気で長生きしたいですか?
しかし、人の生き死はコントロールする事は出来ません。
天命に従い全うするだけです。
高橋先生、いつもお世話になっております、
診察券No.32159です。
今月は14日に診察をお願い致します。
先月受けた人間ドックの結果を見ていただけますか?
運命に従い天命を全うするだけです。
どうぞ宜しくお願い致します。
★回答
了解しました。
投稿: | 2018/12/04 18:15
高橋先生侍史
いつもブログ拝見させていただいております。
御教え願いたいことがあります。
ハルナール、ベタニス、アボルブに抗コリン剤の併用を始めて1ヶ月たちましたが、坐骨神経痛の関連痛が強くなってきました。これはたまたまと考えるべきでしょうか?
それとも、抗コリン剤が私にはあってないと考えるべきでしょうか?
よろしくお願いします。
★回答
合ってはいないと思われます。
投稿: ポン | 2018/12/07 15:06
高橋先生
回答ありがとうございます。
コリン剤の服用をやめて、様子をみてみます。
投稿: ポン | 2018/12/07 15:52