医師の役目
夢を描いて、何となく医師になって、ひたすら勉強をして、研修で上司に怒られ、劣等感と満足感と優越感を繰り返しながら、プライドを持った医師になります。
その結果、苦しんでいるたくさんの患者さんを処理していくのが精一杯で、患者さんの現状を自分の知っている知識と照らし合わせて診断しているのです。しかし、この方法は、機械的な手段であって、まるで三択問題を解いている受験生のようなものです。すべての患者さんに当てはまる訳がありません。
最近話題になっているAIは、医療の分野でも期待されています。
しかし、AIのソフトウェアを作成するのは、患者さんを十分に診ていない、出世や名声だけにエネルギーを費やした、頭デッカチの著名な医師たちでしょう。そのような人たちが作ったAIでは、患者さんの診断正確率は、多くても8割でしょう。少なくても、2割以上の患者さんが誤診されてしまいます。
医師は知り得た知識や概念だけで患者さんに対応してはいけません。
素人の表面的な知識しか知らない患者さんに対して、病気の本質的な知識を、患者さんの悩んでいる心に直接訴え教えなければならないのです。そのためには、病気の本質を深く理解しなければなりません。
PSA値が高い➡︎前立腺ガンの疑い➡︎針生検と短絡的に思わないで、PSA値が高くなる原因は?と本質を理解すべきです。前立腺内の閉鎖空間に貯蔵されているPSAが、部分的に解放されて血液中に漏れ出て、PSA値が高くなるのです。
その原因の「一部」に前立腺ガンがあるのです。しかし、それ以外に貯蔵閉鎖空間の壁が破壊される原因かあります。排尿障害、前立腺肥大症、炎症、先天性、針生検による瘻孔形成など多数あります。
それが前立腺ガンだけを強調されたために、不必要な、命に影響しない前立腺ガンが発見されて、逆に死亡率を高めているのです。医師本来の仕事の逆の仕業です。
医師は常に目の前の悩み苦しんでいる患者さんを真剣に診なければなりません。目の前の患者さんが、自分の父親だったら、どう考えるか?自分の母親だったら、この治療を選択するか?自分の子供だったら、どのように説得するか?……などと真剣に考えるべきです。そうすれば、正しい世界が見えるでしょう。
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コメント
「今の方がよっぽど勉強しているよ。」
浪人生活はお辛くなかったですか?
と、問うた私に
「あの頃はそれなりに、そこそこ勉強していただけ。今は目の前に患者さんがいる。」と、高橋先生は言われました。
どこからどう見ても金を持っていなさそうに見える貧乏人感、丸出しの私に、医療費が負担にならないように、ならないように最大限に配慮して下さり
「僕はね、自分が着るもの、身に付けるものに興味がないんだよね。」と、然り気無く言われ、
あぁ、この方は昭和の置き土産か?
昭和の遺産か?
未来案内人か?
道標人か?
と、何年経ってもつくづくと眺めてしまう私がいます。
恐らく高橋先生にゴ-ルというものはなく死ぬまで突っ走り突っ走り、そのスピード感は、最早、高橋先生ご自身であっても止めようがないんだろうなぁ~と、感じ入っています。
年末まで約二ヶ月強。
高橋先生、お身体だけは本当に大切にされ良いお正月をお迎え下さい。
投稿: | 2018/10/20 03:52