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医療サイト投稿原稿#1 「PSAが高くなる原因」

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健診・検診でPSA値の結果が高いと言うだけで、他の検査を何もせずに即、前立腺針生検を医師に迫られ、悩まれる患者さんがとても多くおられます。
そこで、イラストを使って、PSA値が高くなる理由を分かり易くまとめました。言葉で解説しても、なかなか理解できないので、イラストで表現しました。

まずは、前立腺は、PSAと言うタンパク分解酵素の「貯蔵庫」だと思ってください。
① 一番多い原因は、「前立腺肥大症」などの排尿障害です。前立腺肥大症は前立腺組織の密度が高く柔軟性がなく、排尿のたび毎に前立腺が絞られるので、貯蔵庫からPSAが漏れ出るのは容易に想像できます。(雑巾絞りのイラスト)
② 前立腺内で、細菌感染に関係なく「炎症」(物理的炎症も含めた非細菌性慢性前立腺炎・前立腺結石)が起きると、組織が弱体化して排尿による物理的な負荷で貯蔵庫が破れてPSAが漏れ出ます。(炎のイラスト)
③ 「膀胱頚部硬化症」などで、膀胱出口が十分に開かないと、膀胱からの圧力が全て前立腺に掛かるので、PSAが絞り出されます。(白い矢印)
④ 過去の「針生検」によって、貯蔵庫が穴だらけになってしまい、時間が経過しても穴が完全に閉じなければ、針生検後のPSA値が高くなるのは当然です。これが、前立腺針生検を何回も受けてしまう症例の多い原因です。(蛇口のイラスト)
⑤ 前立腺のPSAの貯蔵庫に、もともと先天的な欠陥があれば、そこからPSAが漏れ出ます。(蛇口のイラスト)
⑥ 最後の理由として、貯蔵庫の壁に「前立腺癌」ができたためにPSAが漏れ出るという理由です。
医師は、【PSA値高い→前立腺癌の疑い→前立腺針生検】と短絡的に考えないで、針生検する前に、患者さんが十分に納得できる鑑別検査を行うべきです。それは、前立腺触診、超音波エコー検査、MRI検査などです。これら3つの検査で前立腺癌の確認が出来なければ、ステージⅠか、あるいは癌はないものと判断し、その後は半年毎の定期的チェックで患者さんは安心し、医師の役目も十分に果たせます。最近の若い医師は、PSA値が高いと触診もしないで即針生検を強要するので、患者さんはとても不安になります。医師は患者さんを安心させるのが仕事なのに、これでは本末転倒です。患者さんに信頼される医師になりましょう。

【医療関係者読者からの感想報告】

また、配信いたしまして、お読みいただいた皆様からのお声を紹介させていただきたく存じます。
高橋先生の記事は満足度が95%とほとんどが満足と答えており、その声には

・とても分かりやすく、患者さんに説明するときにそのまま使えますね。 ありがとうございます。
・専門外で、不勉強の小生にとって、理解しやすいご説明でした。
・分かりやすい説明で納得できた。このようなお話を医師会の先生方や一般人にも広く知ってほしい。そうすれば無駄な医療費が発生しなくて済むのでは。
・専門科以外の医師が読んでも、大変分かりやすい。
・このような説明をしてくれる泌尿器科医は少ない
・PSA高値=前立腺癌と信じて疑わない臨床家にお見せしたいです。
・PSAの上昇につき良心的で理論的でしかもわかりやすい説明だと思いました。ちまたの針生検の適応は利益優先に傾いている印象を持ちました。

などの感想が挙げられていました。
中には

・専門外の医師にわかりやすく説明しており大変勉強になった。腫瘍マーカーに限らず検査の意義と機序についてシリーズ化してほしい。

というご意見もいただきました。
ぜひ今後の連載のモチベーションにしていただきたいと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。

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