ゲームのルールと医療

サッカー、フットボール、ラグビー、野球、バスケットボール、バレーボール、テニス、バトミントン、卓球、レスリング、相撲、柔道、空手など、さらには将棋、囲碁、オセロ、テレビゲームに至るまで、あらゆるスポーツや格闘技は、ある意味でゲームです。
そこには、何十年何百年もかけて関係者が試行錯誤しながら、ゲームが楽しめるためのルールが完成されます。

これらゲームは、人間が考案したものですが、自然が作ったゲームもあります。例えば、台風、大地震、大津波、竜巻、豪雨、雪崩、土砂崩れ、大火災など等、自然界が作る、人間にとっての数々の大災害です。自然界の作ったゲームにも、人間の作ったように色々な厳格なルールがあります。人間は未だ完璧にこのルールを把握していません。結果、災害によって、予期せぬ想定外の被害や被災者をたくさん出してしまうのです。自然被害だからとあきらめてしまっていますが、正確な地震予知や津波の予測、豪雨の原因解明すれば避けられたはずです。人間の考案した科学にのっとって自然界のルールを考えるから間違うのです。自然界の作ったルールに寄り添って考察しなければならないのです。

病気も、自然界が作ったゲームとも考えられます。医学は、そのルールを解明して、診断や治療に生かしていると思われています。しかし、現実は正確にそのルールを把握しているとは思えません。そのために、被害者がたくさん出るのです。例えば、検査目的の前立腺針生検すればする程、前立腺がんの生存率が低下するのです。

前立腺がんのステージ分類と生存率を比較すると、ステージⅠ、Ⅱ、Ⅲの5年生存率はほぼ一緒で、しかも前立腺がんの無い健常人の5年生存率と同じなのです。ステージⅡとステージⅢは触診だけでも容易に診断できます。ステージⅣの骨転移は、PSA値が異常に高値なので、ほぼ推理でき、また悪性度が高いことも、針生検しないでも予想できます。ここに、針生検までして前立腺がんの確定診断をする価値はありません。逆に、ガン細胞を針で突っついて刺激することが、ガン細胞の目覚めさせて悪性度を増強させるだけです。決まり切ったワンパターンの治療が自然界のルールにそぐわなければ、ルール罰則で患者さんの命を縮めるだけです。

各医学会のリーダーたちは、きっと魔法をかけられているのです。それは、学問重視のトップリーダーたちが、目の前の患者さんの訴えを軽視し、臨床を軽んじ、出世のため論文作成だけに集中した結果、過去に作られた教科書的な常識だけを信じているからです。いくつかの文献の矛盾を認識すれば、こんな事にはなりません。人間の知識の常識・真理は、自然界の本当の真理ではないので、常に変化し進化するものです。

【参考資料】 公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計'15」