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エコー検査で観察する縦走筋と膀胱括約筋

7f2b32e5e8014a0797a108fa26483fcaこれまで、エコー検査画像で膀胱括約筋の変形と思い違いをしていた部分が、実は膀胱縦走筋の末端の所見でした。

エコー検査では、明確に白く描出された画像が縦走筋で、膀胱括約筋は明確な陰影として描写されていなかったのです。縦走筋と膀胱粘膜の間の部分が膀胱括約筋=膀胱三角部だったのです。縦走筋の末端と膀胱出口と膀胱粘膜との間が膀胱括約筋だったのです。したがって、縦走筋と膀胱出口の距離があればあるほど、縦走筋が変形すればするほど、膀胱括約筋=膀胱三角部が肥厚・肥大していると考えるべきだったのです。縦走筋の変形を膀胱括約筋の変形と勘違いしても、結果は同じでした。

排尿障害について詳細に解説している間に、膀胱解剖図と今まで私が思い込んでいたエコー画像とが一致しないことに気づいたのです。過去の掲載記事は修正せずに、そのままにします。間違いも記録ですから……。

それから考えると、今まで観察してきた患者さんの膀胱括約筋=膀胱三角部は、異常なほど大きいことが判明しました。基礎に戻ると、世界が本当に違って見えるのです。今まで膀胱括約筋と思い込んでいた縦走筋の変形➡︎膀胱括約筋の変形➡︎膀胱三角部の変形だったのです。

これまでは、縦走筋の先端(膀胱括約筋と誤解)と膀胱粘膜までの厚さを膀胱三角部と誤解していましたが、実は、縦走筋の先端から尿道までの距離=厚さも膀胱三角部だったのです。
縦走しの先端から膀胱出口までの距離が長けば長いほど、膀胱三角部は大きいことが分かります。

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ほぼほぼ健康な男性の膀胱のエコー所見です。
それまで、膀胱三角部は膀胱括約筋と膀胱粘膜との間だと思っていました。

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ところが、膀胱括約筋→→→膀胱縦走筋だったので、膀胱三角部は予想以上に、はるかに大きかったのです。
さらに、対峙する膀胱括約筋と膀胱三角部はつながっているので、膀胱括約筋が大きいことも、症状の過敏さに関係するのです。

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病的な症例を示します。
この画像は、72歳男性の神経因性膀胱と診断された患者さんの所見です。
前立腺は、それほど大きくはないのですが、膀胱三角部は巨大です。
これまで神経因性膀胱と診断され導尿されていました。

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この画像は、過活動膀胱の56歳のご婦人の所見です。
正常の男性よりも、膀胱三角部・膀胱括約筋が大きく肥大しています。


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コメント

ということは、三角部としてより切開切除範囲が大きくなったと考えていいのですか。切るべき面積が大きくなったと考えていいのですか。
★回答
はい。

投稿: A | 2018/09/04 19:49

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