交感神経と副交感神経の膀胱支配
膀胱をコントロールする交感神経の末端からは、ノルアドレナリンが分泌され、作用点にはα1受容体とβ3受容体の2種類があります。副交感神経の末端からは、アセチルコリンが分泌され、作用点にはムスカリン受容体があります。
α1受容体とムスカリン受容体は平滑筋を収縮させ、β3受容体は平滑筋を弛緩させます。
受容体の位置と組合せによって、膀胱の蓄尿と排尿をコントロールしているのです。
交感神経の末端は、膀胱出口に集中します。理由はオシッコを出ないように溜めさせるために、膀胱出口を締めて、尿意を低減させます。締めるのに作用するのがα1受容体で、尿意を低減させるのがβ3受容体です。
副交感神経の末端は、膀胱体部の二層の筋層に集中します。排尿時に、膀胱を収縮させるのです。
ムスカリン受容体、β3受容体、α1受容体が膀胱の中で分布する集中具合を示したイラストです。
ムスカリン受容体は膀胱体部の特に輪状筋に集中します。α1受容体は膀胱出口から尿道・前立腺に集中します。β3受容体は膀胱三角部・膀胱括約筋に集中します。
人により集中個所が重なることがあるので、抗コリン剤、β3作動薬、α1ブロッカーの効果や副作用の個性が出てきます。
排尿障害や頻尿や尿意切迫感などの膀胱の興奮状態を治療するためには、これら受容体をコントロールすることです。ムスカリン受容体に作用するのが、抗コリン剤のベシケア・トビエース・ステーブラです。α1受容体に作用するのが、α1ブロッカーのユリーフ・ハルナール・フリバスです。β3受容体に作用するのが、現在までのところベタニスだけです。
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コメント
いつもブログを拝見しています。ムスカリン受容体、a1受容体、B受容体の三ヶ所で薬が異なることが理解できました。ベタニスとベシケアを一緒に処方してもらうことは可能ですか。
★回答
まだ、保険上できません。
でも、9月下旬〜10月頃には、保険適応になる可能性があります。」
また、ウリトスについての先生の評価を教えていただきたいです。
★回答
薬の効果は人それぞれです。
ウリトス=ステーブラは、効果は強い方です。」
また、薬の効果の判断は何週間くらいですか。教えていただきたいです よろしくお願いします。
★回答
最短1ヶ月です。
投稿: A | 2018/08/29 20:04
高橋先生
お世話になっております。
4年前、ベタニスを処方していただいた事がありましたが口渇が酷く、どうしても服用を続ける事が出来ず断念しました。
現在は下記のお薬、服用中です。
ザルディア
ハルナ-ル
リリカ
トラムセット
ステーブラ
今回、これからに加え、もう一度ベタニスにトライしたいと考えています。
先生のお考えをお聞かせ下さいませ。
診察券No.32159です。
どうぞ宜しくお願い致します。
★回答
試してもいいでしょう。
投稿: | 2018/09/01 20:19