女性と三浪は排除?
東京医大の入試裏事情が暴露されました。女性の合格点に減点していたことと、三浪以上の受験生は排除していたとのことでした。
私立の医科大学は、東京女子医大を除いて、一般的に女性合格者は制限していたと思われます。何故かと言えば、男尊女卑の世界観は昭和の時代では一般的でした。そのため、女医になっても、結婚すれば家庭に入り主婦になるのが当たり前の世の中でした。その背景が、結婚することで、医師という職業を辞める女性が多かったのでしょう。それぞれの医科大学にしてみれば、卒業生が医学界で勢力の一端になる訳ですから、医師になっても、結婚して実質の医師として医業に携わなければ、意味がありません。
そこで、女性の受験生にハードルを高くしているのです。私の出身校の慈恵医大も、同級生の女性は10%くらいでしたから、ハードルを上げていたのでしよう。今では、慈恵医大の女性は30%を超えているようです。
私の同級生で1年生〜卒業するまでで、留年したのは、20人〜30人ですが、その中に女性はいませんでした。つまり、女性はすべて優秀だということが分かります。
世の中、患者さんの半分は女性です。その対応をする医師が男性ばかりと言うのはおかしいですよね?
三浪の受験生を排除するのは、如何なものかと思います。成績が優秀=I.Qが高いという事です。でしたら、偏差値のメチャメチャに高い東大や慶應大の合格者だけが医師になればいいことになります。だからと言って、東大や慶應大出身の医師だけが名医ではありません。
I.Qの高いヒトは、劣等感やコンプレックスが全くありません。ず~と、天才で優等生で、受験においては常に他人を乗り越える人たちだからです。当然、病気で悩んでいる人の気持ちは分かりません。
また、教科書や参考書は一回読むだけで、簡単に記憶でき、自由に思い出すことが出来るのです。ある意味パソコンです。そんな優秀な医師は、目の前の患者さんを観るのではなく、記憶にある教科書や参考書や文献のデータと照合しているだけです。自分の知らない想定外の患者さんを「気のせい」「年のせい」とするのが常とう手段です。
その点、浪人している受験生は、合格するまでに悩み苦しみ努力をしてきた人です。当然、患者さんの気持ちにシンクロできます。(出来ない人もいますが......)
また、I.Qがそれほど高くなければ、問題に対して側答えが導き出せませんから、アレコレ考えることが多いのです。アレコレ考えると言う事は、必要以上に脳のかなりの部分を利用して、脳の中にたくさんのニューロン・シナップス結合が形成され、想像力豊かで奇抜な発想ができるようになります。ところが、I.Qの高い人は、効率的に最小限度の脳しか使わないので、脳の他の部分のルートが退化し、そのため想像力が低下し、教科書的な事しか想像できません。
私の同級生には、現役、一浪、二浪(私)、三浪、四浪、五浪、早稲田大学卒業生三人、慶應大学卒業生一人、ハーバード大学卒業生一人など皆んな個性豊かでした。その内、慈恵医大の教授になったのが、何と7人で、他の大学の教授になったのが一人でした。いろんな学生がいるから、お互いを刺激し合い、個性的な医師になるのです。I.Qの高い学生ばかりを集めると、小粒の頭のいいロボットのような医師になってしまいます。
以上の理由で、女性のハードルを上げて、三浪以上の受験生を切って排除しようとするのは、患者さんのことを考えずに、また名医が生まれないで、ワンパターンの道具のような医師を造るだけです。
東京医大は、歴史的には、日本医大(日本医学専門学校)と別れた経緯のある専門学校です。当時の日本医大の方針に真向から反対して、450名の学生有志たちで分離独立した学校だった筈です。それなのに、100年後には、長い歴史の意志を継いだはずの大学執行部が、目先の損得や忖度だけに左右されるとは……⤵️
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