人生は役者

私は人見知りで、自分の意見や気持ちを口にしたくない人間です。人前で話しを回避したいし、ご婦人と正面を向いて話しもできませんでした。部屋にジッととじ込もってプラモデルや漫画を作製するのが、安心感が持てます。……そんな私が医師になってしまったのです……😔。

本来の自分の性格であれば、医師としての仕事は、どう考えても無理です。でも、それでは医師としての仕事はできません。そこで、いろいろ考えました。本来の自分の性格を変えないで、医師としてやって行くことは出来ないものか？と考えました。高校生の時に、それほど勉強のできなかった私が医学部に合格できたのは、変身することにした結果でした。手を抜かずに可能な限り勉強しようと思ったからです。

やれば何か出来るはずです。学生時代は誰もクラブのキャプテンをやるヒトがいなかったので、意を決してキャプテンになってしまいました。……それも2年もです……😔。好きな女性に勇気を出して告白して思いが叶いましたが、その数年後振られてしまいました……自分の能力の無さを見透かされてしまったからです……😢。そこで、子どもの頃に読んだりテレビで見たことのある江戸川乱歩の怪人二十面相を思い出しました。ある怪人が姿かたちを変えて、様々な犯罪を犯すのです。主役の明智小五郎は、怪人二十面相の変身や変貌に振り回されるのです。
私は本来の自分の延長線上の医師ではなく、患者さんが信頼・期待できるような医師を演じようと思いました。演じているうちに、これが自分だと思うようになりました。講演会で講師を務める時は、興味を惹きつけるような講師を演じ、四月は責任感を感じさせる学校医となって健康診断を行います。その展開として、奥さんに対しては良い夫を演じ、子どもに対しては良い父親を演じているのです。……時々ミスをしますが……😄

自分の人生の主役は自分自身です。原作者・脚本家も私で、舞台監督も私です。裏方の音声係りも大道具や照明係りもすべてが私です。そして、いろんな役を演じているうちに、いつかすべてが自分だと悟るのです。いま現在、それぞれの役に磨きをかけています。小学生の頃から大学を卒業するまでの同級生も、今の私を見ても同じ人間とは思えないでしょう。私は怪人二十面相です。