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セルニルトンの作用と位置づけ

Img_1071慢性前立腺炎の患者さんがたくさん訪れます。新患・再診含めて毎月100人前後の患者さんを診ています。
当初は、他の医療機関で処方されたセルニルトンに効き目がありました。しかし、慢性前立腺炎が繰り返すうちにダンダン効かなくなってくるのです。

当院に来院する慢性前立腺炎の患者のほとんどが、セルニルトンがまったく効かない状態で来院されます。そこで、当院ではセルニルトンをほとんど処方しませんでした。しかし、疑問に思うことがありました。何故?効くことがあったのだろうか?と。セルニルトンが効く患者さんが存在することは事実なのだから……。
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今回、学会の教育セミナーを拝聴しました。テーマは病気の本質がハッキリしていない「慢性前立腺炎」についてでした。その中で、治療薬で有名な扶桑製薬のセルニルトンの効能について解説がありました。セルニルトンは、炎症を担っているサイトカインcytokineを数種類抑える働きを持っているのです。

これで、今までの疑問の理由がヒラメキました。単純な「炎症」だけの慢性前立腺炎であれば、セルニルトンで抑えることができるのです。しかし、炎症の原因を治すことができないのであれば、炎症は継続して続くので、治らなくなるのです。

排尿障害👈①
⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎ーーーー👇②
物理的刺激➡︎サイトカイン➡︎炎症➡︎慢性前立腺炎➡︎症状
⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎ーーーーーーーーーーーーーーーーー⬆︎⬆︎⬆︎⬆︎
膀胱三角部の肥厚➡︎膀胱三角部の過敏➡︎脊髄神経回路の形成
ーーーーーーーーーーーー👆③ーーーーーーーーー👆④
このように考えれば、初期の段階でセルニルトンが効果が出るのは、容易に理解できます。
治療の目標は、
①👈アルファブロッカー・ユリーフ・ハルナール・フリバス
②👇セルニルトン
③👆ベタニス・ベシケア・ウリトス・ステープラ
④👆トラムセット・リリカ・グリシン・デパス・カロナール
……などです。

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