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夜間頻尿の危険

Img_1033夜間の夜間の脱水を防ぐために、寝る前に水分を取りなさいと、内科の先生がよく口にします。
患者さんは、疑問も持たずに寝る前に水を飲みます。……これは、常識ですね。
ところが、そのためか、夜間に何回もおトイレに起きてしまうヒトがいます。
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夜間頻尿の患者さんが、夜間脱水のことを鵜呑みにして水を飲むと、夜間に何度もオシッコに起きることになり、患者さんは睡眠不足になってしまいます。睡眠不足は、疫学的・統計学的に死亡率が高くなることは常識です。患者さんの状態を十分に認識もせずに、寝る前に水を飲みなさいと言う医師が多いのです。
夜間頻尿の患者さんは、就寝中に尿量が増えます。なぜ、尿量が増えるかと言えば、動脈硬化が進んでいると、起きて立位の時に、腎臓が5センチ~10センチ程下降(下垂)するからです。すると、腎動脈が引っ張られます。若い人であれば、腎動脈が拡張して腎血流量を確保します。ところが、高齢になり腎動脈が動脈硬化を起こしていると、動脈の内腔が狭くなり腎血流量が低下するのです。血中の水分が十分に排泄されずに全身の細胞間液としてストックされます。
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就寝時に横になると、腎動脈の牽引は除去されます。すると腎動脈の内腔が拡がり腎血流量が回復し、細胞間液にストックされた水分が、血液中に放出されて血液が薄まるのです。血液は常に一定の濃度に固定されていますから、血液中に流入した水分を体外に放出しなければなりません。そのため、腎臓で水分が尿として体外に放出されます。その結果、夜間に尿量が増えて夜間頻尿になるのです。
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そんな夜間頻尿の人間に、「就寝前に水分を取りなさい」と言うのは、無謀です。
なぜかと言えば、夜間にオシッコで目が醒めるということは、膀胱がパンパンだということです。膀胱がパンパンの状態は、オシッコを我慢するために交感神経が極端に興奮します。交感神経の緊張は血管を収縮させ血圧が高くなります。トイレに行って、いざ用をたす時に、膀胱の緊張は一気に緩みます。すると、交感神経の緊張も一気に緩みますから、血管の緊張も緩みます。男性は立位で用をたしますから、血管が緩むと、重力の関係で血流は足を中心とした下半身に集中しますから、上半身の血流が不足します。その結果、脳血流や心血流がとても不安定になり、脳貧血、脳梗塞や心筋梗塞の発症のキッカケになってしまうのです。夜間にトイレで倒れる人が多いのは、こう言った原因です。


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コメント

一昨日はありがとうございました。
先生の学会の件ですが地下鉄烏丸線京都駅から終点国際会館まで所要時間20分運賃は290円です。
私は美味しい喫茶店を見つけるのが得意なので先生の診察の帰りに「楡」という感じのいい喫茶店に行きました。
そこのママさんが先生の所が開院してからの患者さんでした。
二人で高橋先生は本当にいい先生ですねと話しました。
モーニングを美味しくいただきました。
【回答】
烏丸線については、ありがとうございます。
楡は都内でも歴史のある有名な喫茶店です。
さすがですネ。
楡のママさんはおきれいなヒトでしょう?
二人の娘さんもおきれいです。

投稿: 京都在住 | 2018/04/02 08:31

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