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前立腺ガンとBRCA1/2遺伝子

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Img_0991アンジェリーナ・ジョリーというアメリカの有名なハリウッド女優さんが、乳がん遺伝子のリスクがあるので、乳房摘出と卵巣摘出を時間を置いて行いました。その遺伝子がBRCA1と2と言う癌抑制遺伝子の変異だったのです。この2つの遺伝子の変異が、乳がんと卵巣ガンの発生リスクを高める上に、遺伝するのです。
血縁関係(祖母・母・叔母など)の中に乳ガンや卵巣ガンの体験者が存在した場合は、ご自分の遺伝子のBRCA1/2遺伝子に変異がある可能性が高くなります。

Img_0879この2つのBRCA遺伝子の変異が、実は、男性の前立腺ガンにも深く関わっているのです。血縁関係に乳ガンと卵巣ガンの体験者が存在する場合、もしかするとBRCA1・2遺伝子の変異がある遺伝性ガン体質の可能性があると、男性であっても安心は出来ません。何故なら、その遺伝子変異は、イラストのように男女関係なく遺伝して男性にも伝わり、それが前立腺ガンの発症リスクになると言うのです。その遺伝子変異が原因で生じた前立腺ガンは、かなりの確率で転移性の前立腺ガン、すなわち、悪性度の高い前立腺ガンになるのです。

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そんな能力を秘めたエリート前立腺ガンは、ホルモン治療や抗ガン剤にも抵抗力の強い去勢抵抗性前立腺ガンになるのです。そのような患者さんの場合、治療手段がない訳ではありません。
実は、BRCA遺伝子変異を修復させる治療薬リムパーザを投与すると、効果がかなり出てくるようです。

血筋の身内に卵巣ガンや乳ガンの女性がいる男性の場合、遺伝子チェックして、もしもBRCA1/2遺伝子の変異が認められたら、40歳過ぎたらPSAチェックを頻繁に行い、あるいは女優のアンジェリーナ・ジェリーと同じく事前に前立腺を摘出するという方法もあります。

前立腺ガンの治療法の選択に迷った時には、BRCA遺伝子の変異を調べると良いかも知れません。なぜなら、変異が認められたら、悪性度の高い前立腺ガンの可能性が高いので、サッサと手術して前立腺を除去した方が良いかも知れません。前立腺ガンの悪性度を高める理由は幾つかかあるかも知れませんが、このBRCA遺伝子異変がその1つです。

BRCA遺伝子のチェックは、下記の医療機関でできます。
自費で20万円~30万円位だそうです。
HBOC(遺伝性乳がん・卵巣がん症候群)協会のホームページ
http://hboc.jp/facilities/index.html

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