PSA検診した方が死亡率が低くなる根拠
この表は、ヨーロッパで行われた前立腺癌PSA検診大規模研究の結果です。この結果が、日本泌尿器科学会のPSA検診を推し進める根拠です。
その中から、PSA検診群の方が死亡率が高かった50歳〜54歳グループと70歳〜74歳グループを除く、死亡率が低かった55歳〜69歳のグループの死亡率を計算してみます。
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【PSA検診群】
母集団:698,642人
死亡者:220人
死亡率:0.031%✳︎
【PSA検診をしなかった群】
母集団:839,325人
死亡者:330人
死亡率:0.039%✳︎
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少し比較し易くするために、1万人当たりで比較すると、
PSA検診群:1万人当たり3人✳︎
PSA検診をしなかった群:1万人当たり4人✳︎
です。
PSA検診!PSA検診!と散々すすめている泌尿器科学会の結果が、この程度です。1万人当たり1人の差です。10万人当たり8人の差です。
PSA検診したグループの方が、確かに死亡率は低くなっています。しかし、ここに問題が隠れています。
PSA検診したグループで生き残った9,997人は、ズーッとPSA検診の度に『前立腺ガンかも知れない』と心を傷付け続けたのです。
それに引き換え、PSA検診をしなかったグループで生き残った9,996人は、前立腺ガンのことは、まったく気にしないで生きて来たのです。
これをどう考えますか?医師が意図して、前立腺ガンの死亡率を減らすために行ったPSA検診が、多くの人に不快な影響を与えているのです。多くの人を幸せにするのが、医師の役目ですから、これでは、本末転倒です。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。
アメリカと同じように、患者さんの希望でPSA検査すれば良いでしょう。
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