膀胱の基礎医学♯4②(臨床医学的観点)続き
❾膀胱結石
腎臓で作られた腎結石が、小さい時期に尿管を介して膀胱に落下します。
尿管を通過する位の小さな結石ですから、余裕で膀胱出口から排出(自然排石)する筈です。
しかし、膀胱出口が十分に開かない、排尿障害のある人の場合、自然排石できないで結石が膀胱内で次第に大きくなってしまいます。それが、膀胱結石です。
ですから、膀胱結石を確認した場合は、排尿障害の患者さんだと診断しなければなりません。
❿膀胱憩室
排尿障害があると、排尿時に膀胱内圧が高くなります。
そのため、膀胱壁の筋肉のない部分が凹んで来ます。
その状態が長期間続くと、凹みではなく、袋になります。それが憩室です。
⓫膀胱子宮内膜症
毎月のように膀胱炎になる患者さんに、子宮内膜が発生の途中で膀胱に取り残される場合があります。それを異所性子宮内膜症と呼びます。生理のたびに膀胱の中で出血を繰り返すために、膀胱炎症状になるのです。
⓬膀胱腫瘍(膀胱ガン)
膀胱にできる悪性腫瘍=癌です。主に膀胱三角部以外の膀胱に発生します。
この写真は、エコー所見です。膀胱内に塊として描出されています。
実際の内視鏡検査の所見です。
膀胱出口から奥の暗闇に、凸凹の乳頭状の膀胱腫瘍が確認できます。
一般的には、患者さんに自覚症状はありません。血尿で初めて自覚するのです。
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