下半身の痛みで苦しむご婦人
夏の膀胱炎の後に、だんだん下半身が痛くなってきました。
その痛みは、次第に強くなりました。そのため、まず婦人科を受診して精密検査しましたが、異常なし。次に皮膚科を受診しましたが、やはり異常なし。次に地元の泌尿器科を受診しましたが、やっぱり異常なしでした。どの診療科を受診しても、「気のせいでしょうね」と診断されるだけでした。
そこで、私に相談のコメントをお送り頂きました。
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こんばんは
初めてメールします
43歳女性です
夏頃に膀胱炎になり抗生物質で治ったのですか、それから少しして膣周り?尿道付近が痛いので婦人科に行ったところ特に問題なしとのこと
皮膚科にも行ったのですか異常なし
痛いせいかトイレも近くなり泌尿器科に行ったら特に何も出ず
エコーで見てもらったのですが少し尿がためにくいかな?と言われただけで原因がわかりませんと言われてしまいました
それからは一向に治らす膣の上の方?が痛いためトイレが1時間に一回は行っています
最近ではデスクワークのため座ると股に圧迫感もあり仕事が辛いです
ネットを見ていたところ高橋先生のブログをみてもしかしたら間質性膀胱炎ではないか?と思いメールしました
今度先生に診察していただこうと思っています
こんな症状でもみていただけますか?
ほんとになかなか治らず悩んでいます
夜遅くに申し訳ありません
【回答】
難治性膀胱炎の関連痛症状です。
薬の服用で軽快します。
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来院して頂きました。
お話をお聞きすると、以前から頻尿(1日14回)がありました。以前から頻尿がある事=以前から膀胱に問題を抱えている事です。
早速、エコー検査を行いました。やはり、予想通りです。膀胱括約筋①がホウキの様に先端が広がり変形・偏向しています。本来なれば膀胱出口②に向かっていなけれなりません。その結果、センサーである膀胱三角部③が厚くなっています。正常では厚さ2mmですが、この患者さんは、8mm越えです。2mmで排尿回数5回だとすると、8mmで排尿回数20回以上と考えられます。しかし、患者さんの排尿回数は、14回ですから、あと6回足りません。1日6回、10日で60回、1年で2190回分のエネルギーが、消費されないで脊髄神経に溢れます。脊髄神経は、困って他の神経ルートにエネルギーを流します。そのエネルギーを受けた神経が下半身の痛み感覚のルートだったので、過敏になり痛み症状が作られるのです。
排尿直後の残尿量は、20ml(正常では0ml)ですから、明らかに排尿障害が隠れています。
治療は、膀胱出口の緊張を緩めるαブロッカーであるエブランチルを、膀胱三角部の興奮を抑えるためにベタニスを、炎症ではない合成された痛みを抑えるトラセンタを処方しました。さあ〜来年には、症状が落ち着いたら良いですね。
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コメント
高橋先生お疲れ様です。
今年、紙一重のところから先生、戻ってきて下さって
本当に嬉しかった、ありがとうございます。
自分に関わってくれている全ての人々の事は
勿論ですが
高橋先生のおかげで
何とか年を越せそうです。
先生、先日の診察の際
「人間は皆、何かしらを背負って生きている。
僕だってそうだよ。この病気、この身体で生きている。」
先生、来年はもっともっともっと
先生にも私たちにも光がさしますように。
どうぞ、どうぞ、良いお年をお迎え下さい。
★回答
ありがとうございます。
投稿: | 2017/12/30 19:28