喉の渇く理由
お水をたくさん飲む人は、常に喉が渇き、仕方なく水を飲むのです。
炎天下で汗がダクダクの人は、脱水になりますから、やはり喉が渇いて水を飲みます。
ご高齢の人が夏の期間に暑くても暑さを感じず、喉も渇かないので、脱水することがあります。
逆に私のように透析して水を排出され、また、水分制限1日500ccの人間では、身体に水が少ないにも関わらず、どういう訳か常に喉は潤っています。
【脱水状況→喉が渇く】という短絡的な反応ではない事が想像できます。
「喉の渇きシステム」と「脱水管理システム」との間には、もう一つ二つの別のシステムが関わっていると思われます。
細胞内の水分が欠乏すると、その情報が中枢を刺激して喉の渇きを感じるのです。
細胞は足りない水分を血流から引っ張って来ます。ですから、細胞内の水分が欠乏したと感じる前には、血流の水分はすでに欠乏していると考えます。いわゆる脱水症です。
逆に、水分を多く飲む人は、血流の水分が過多ですから、血流と細胞の水分量を比較すると、細胞内の水分は相対的に少なくなりますから、細胞が水分不足と錯覚して中枢を刺激するのでしょう。あるいは、細胞周囲の細胞外液が過多となり、やはり相対的に細胞内の水分が少なくなり、中枢を刺激するのかも知れません。水太りで太っている人は、喉が渇いて水をガブ飲みするシーンをよく見かけます。
太って汗ダクの人と、スポーツマンの運動後の汗とが同じ汗とは思えません。
私の様に腎不全の人間は、細胞と血流と細胞外液の3つの要素があり、そのうち細胞外液に水分が過多になります。なぜかと言えば、腎機能が悪く血流の水分を調整することが出来なく、細胞外液に水分が過多になるのです。血液透析によって、細胞外液の水分→血流に移動して、その水分を血液透析で除去するのです。最終的に細胞内と血流内の水分バランスが保たれるので、中枢を刺激しないので喉が渇かないのです。
高齢者の場合、中枢の入力システムが機能低下を起こし、温度センサーや水分バランスの情報を十分に伝達出来ないために喉が渇かないのです。
医師も含めて一般的に「喉の渇き=脱水」と単純に思い込んでいる事に、基礎的な生理学的知識の応用ができないために、人体の細かいコントロールが不可能になるのです。
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