PVP前立腺レーザー手術

泌尿器科の医師は、外科医ですから、最新鋭の外科手術器械を興味を持つのは、普通です。
最近、前立腺レーザー手術機器も新しくなり、レーザー光の周波数も変わり、手術効率も良くなりました。今回ご紹介するのがPVPレーザーです。

PVPレーザー光は、波長が532nm特殊で血管を凝固しながら出血が少ないのです。そして、高出力レーザーとエネルギーが強いので前立腺組織を深く蒸散してくれるのです。

ただ、機械の価格は、3千万円、カテーテルが使い捨て1本約10万円です。医療機械のリース料は、5年償却で毎月50万円になります。前立腺肥大症のレーザー手術料は、保険適応で約20万円ですから、カテーテル代10万円を差し引いて一回の手術で10万円の利益になります。リース料だけ考えて、毎月5人の前立腺肥大症の患者さんを手術して、利益なしのトントンです。5年で300人手術して、減価償却はできますが、利益はまったく望めません。さらに5年も経てば、もっと性能の良い器械も出てきますから、その時点でこのレーザー器械の魅力はなくなり、患者さんの集客能力もなくなります。少しでも利益を確保するためには、手術件数を毎月6人以上確保しなければなりません。すると、医師は何が何でも手術件数を増やさなければならず、一生懸命に患者さんにレーザー手術を勧めることになるのです。

これはおかしいでしょう？アメリカでは、手術代金は日本よりも高額で、カテーテル代金も別に請求できるので、無理しなくても利益が出せ、必死になって患者さんを集めることもなく、丁寧な診療ができます。