頻尿の芸能人
愛のメモリで有名な歌手の松崎しげる氏67歳が、バラエティ番組で頻尿で苦しんでいることを告白していました。1日25回の頻尿です。多い時には1時間に4回トイレに行っていました。インタビューが途中で何回も中断されていました。
精密検査をすると、前立腺肥大症で大きさは45グラム(正常が20g=20cc)でした。しかし、番組は疑問を感じる方向に向かって進んでいきました。
MRI検査や脳波検査の結果、前頭葉の血流が低下していることが判明しました。その結果、松崎しげるさんは、認知症予備群と診断されたのです。認知症の人には頻尿が多いという方向で話しは進み、最後には、認知症予防体操を行なっている松崎しげるさんの姿で締めくくられました。
私からすると、本末転倒です。長期間排尿障害で体に負担がかかると、中枢神経に負担がかかります。特に情報処理の海馬に慢性的に負担をかけるのです。正常の範囲内の生理的負担ではありませんから、海馬は疲弊・萎縮して結果、認知症になるのです。
また、MRI画像では正確な前立腺の大きさを測ることが出来ません。45グラムという値も怪しいものです。もっと大きい可能性が高いと思われます。
以上のことから、まずは、前立腺肥大症と排尿障害の治療を先行し、積極的に実施すべきです。前立腺の大きさが45ccは、泌尿器科医にとっては、それほど大きくありません。そのため、簡単な頻尿治療薬か、αブロッカーを処方するだけでしよう。しかし頻尿が治らないと、「気のせい」、「心のストレス」、遂には、「認知症」のせいにしたのでしよう。認知症の治療だけでは、松崎しげるさんは今後も苦しむでしょうね。
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