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本当の姿

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日光で有名な神厩舎(しんきゅうしゃ)という馬小屋の上部の三猿こと「見ザル聞かザル言わザル」の修復後の変化が話題になっています。
写真の左が修復後、右が修復前前の彫刻の姿です。修復前はリアリティのある目でしたが、修復後はアニメやゆるキャラのようです。修復に関わった職人に対して「下手くそ!」とSNSで吹聴されています。

実は、これまでに5回以上の修復がされていました。近年では、1923年、1951年、1973年、2015年です。それぞれの修復時の現場職人に任されるのです。したがって、修復時の職人の美的感覚や考え方や技量が作品に反映されます。

Img_0362修復前の写真をよく見ると、サルの目の周囲に、まるで付けまつ毛のような不自然な大きな輪郭が確認できます。実は、これが最初に創られた目の彫刻の跡なのです。修復前より以前の姿は、今回の修復後の姿に似ているのです。このサルの彫刻は門の上から見下ろすように作られています。修復前のサルの目よりも修復後のサルの目の方がハッキリと見られている印象です。修復後の目の方が、「見てしまったが言えない!」というサルの気持ちがよく出ています。時代によって姿が変化しても構わないのです。生きている人間だけが変化するのではなく、変化しない筈の彫刻が外見上変化するのも粋でしょう。

今までの真理や法則が、絶対的で不動のものとは限りません。真理・法則が変化することは、よくあることです。真理・法則を考案した人間の未熟さが、誤った常識を作るのです。医学常識も同じです。常に過ちが潜んでいます。目の前の事象に、疑問を持ちながら、世の中を常に観察すベきです。


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コメント

昨日NHKのEテレで、モーガンフリーマンの司会で毎週放送されている科学番組で近い将来ダークマターを捉えることができそうだと言っていました。
実在の地球と全く同じ影の地球があることが証明されそうです。
物質と反物質は常に重なって存在していて反物質もわずかながら質量があることが解ってきたそうです。
宇宙のほとんどを占めるダークマターが発見されれば、今までの科学の常識は大きく変わります。
私たちが実体と思っていることが幻で、幻と思っていることが実体かもしれません。

投稿: 京都在住 | 2017/09/08 08:28

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