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泌尿器科学東部総会❷

2日目は、ランチョンセミナーに出席しています。Img_0449
ランチョンセミナーは、講演が始まる前にお弁当が提供されます。
今日のお弁当は、「なだ万」でした。
現在は、医学会も資金不足で、製薬会社にホテルのいくつものホールを学会期間中に契約してもらい、そのホールを学会会場として利用するのです。その代わり、各製薬会社が借りたホールを使ってランチョンImg_0452_2セミナーを開催し、各々の製薬会社の商品を宣伝するようなテーマにするのです。
今回は、ベタニスの利用価値についてのテーマですから、このホールを借りているのは、アステラスさんです。同時間に、7カ所でランチョンセミナーが開催されていますから、7つの商品が宣伝されていることになるのです。

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セミナーのテーマは、高齢化社会の過活動膀胱についてでした。
高齢者が現在、人口の27%占めていますが、将来的には40%を超えるので、高齢者の治療は重要です。
80歳以上の高齢者の40%に過活動膀胱の症状があります。実際に過活動膀胱の治療しているのが、65歳以上で83.1%だそうです。
ほとんど既知の常識と、『絶対に嘘だ!』という病態生理について詳細に解説していました。
抗コリン剤とベタニスの作用の違いは、膀胱を緊張させないのが抗コリン剤で、膀胱を弛緩させるのがベタニスです。
唯一、気になったのが、抗コリン剤の3年以上の長期投与で、認知症の発生リスクが1.5倍、アルツハイマーの発生リスクが1.6倍に増加するという事実でした。しかし、このデータは、高齢者(65歳〜75歳以上)に限っての話しです。その意味で、抗コリン剤ではないβ3剤であるベタニスには、そのようなリスクがないので安心です。

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コメント

高橋先生

 おはようございます、連休中なのに毎日大変お疲れ様です。ご相談したお薬は無事に受け取りました。とても助かりました、本当に感謝です!

『絶対に嘘だ!』快刀乱麻継続中、心強い限りです。
 抗コリン剤の副作用、どんな薬でもそうかと思いますが特にお年寄りの長期連用は注意深くしなければならないのですね。
 そういえば、新薬の解説宣伝をする常連の大学病院教授には何百万もの副収入を得ている人がいるという記事が新聞か雑誌に以前出ていました。現実の世の中お金が無ければ充分な仕事ができないのは仕方ないですし、ことさらその教授方を色眼鏡で見るつもりはないですが、患者本位の医療界が維持されるように願っています。

投稿: 金沢のY | 2017/09/18 11:55

先生、こんにちわ。素朴な質問で恐縮なんですが、緊張させない。と、弛緩させる。の、意味の違いはどこなんでしょうか?。副作用を抜きにしても、弛緩させる。方が、効果が高い様に思えますが。
☪️回答
膀胱が何かの原因で収縮して症状が出ると考えます。
その何かの収縮を抑えるのが、緊張させないという事です。
逆に、その何かを無視して、積極的に弛緩させるのが、弛緩させるという事です。
何かとは、ムスカリンレセプターで、始めの薬は、そのレセプターをブロックします。
膀胱の細胞にはβ3レセプターがあり、これを刺激すると、弛緩するのです。
ところが、ムスカリンレセプターとβ3レセプターの配分が人によって異なるので、効き目が違うのです。

投稿: 静岡県 | 2017/09/18 14:36

先生、こんばんわ。以前のブログにも説明下さっていて、その時は、なんとなく理解するのですが、また直ぐに解らなくなってしまい、、、何度も同じ事を教えて頂きありがとうございます。今は、ベタニスを飲んでいますが、ベシケアの副作用についても、親が健在で、私が、薬の管理をしているので、覚えておきたいと思います。

投稿: 静岡県 | 2017/09/18 19:19

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