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2年間経過観察の後に判明した前立腺ガン

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62歳の男性患者さんです。
平成27年7月にPSA値4.18とわずかに高いので、当院受診しました。その時点で、超音波エコー検査、触診で前立腺ガンは認めませんでした。何もしないで、経過観察としました。
その翌年の平成28年7月の定期的検査でもガンは認めませんでした。

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ところが、2年後の平成29年5月になり、触診で前立腺右端に硬結を触れ、超音波エコー検査でも体積0.26ccの陰影(赤い矢印)を認めました。前立腺ガンと判断し、前立腺肥大症の治療薬プロスタールを開始しました。

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治療開始してから4か月後の超音波エコー検査所見です。
前立腺の大きさは、20cc➡︎11ccまで縮小しましたが、それと呼応するように前立腺ガンの陰影も縮小し、ガンの体積は0.26cc➡0.07㏄にまでなりました。水一滴が0.04ccですから、6滴チョッとの体積から1滴チョッとの体積に縮小したと言う事です。触診でも硬結は、わずかに跡が残っているかな?程度の感触でした。治療効果は、まずまずでした。

前立腺ガンの発育速度は、倍加速度として考えます。つまり、前立腺ガンの体積が2倍になる時間です。通常、倍加速度は、文献的には2年から20年以上とされています。今回お示した患者さんも、確認できるまで2年近くかかりました。発見した時点で、0.26ccでしたから、2年前には0.13ccと考えられます。しかし、現在の0.07ccが確認できた訳ですから、2年前の0.13ccが確認できないとは思えません。この患者さんの倍加速度は、文献と違って、恐らく1年未満だろうと思われます。
あるいは、ガン細胞の数がそろっていても、エコー検査や触診て判定可能な、まとまった体積になるまで時間がかかるのかも知れません。

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コメント

先生
最近よく週刊誌に射精回数と前立腺ガン発症についてかいてあります 最近のでは週に二回射精するとよいとありました 先生的にはどう考えますか?
【回答】
80歳で50%以上の男性に前立腺ガンが存在します。
ですから、80歳以上の男性に、週2回射精しろというのは酷だと思いませんか?
非現実的なアドバイスです。

投稿: 慢性前立腺炎 | 2017/09/09 13:18

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