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鼻水の昔と今

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私が小学生の低学年の頃、今から58年前です。友人の中に青っ洟(あおっぱな)を出している子供が数人いました。現代では、青っ洟の子供は見かけません。何故かご存知ですか?

これは、子供たちの栄養状態の問題です。私の若い頃は、未だ食糧事情が悪く、十分なタンパク質を摂取していませんでした。そのため、寒い冬の冷たい空気が鼻を刺激し鼻水が出るのです。
通常、鼻水は抗原抗体反応の免疫システムが発動するのですが、タンパク質の摂取量が少ないので抗体が作れません。代わりの免疫システム、すなわち顆粒球免疫が発動します。

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顆粒球免疫は、化膿性免疫ですから、膿の鼻水になります。そのため緑色の粘っこい鼻水=青っ洟になるのです。
その後、日本の経済成長とともに食糧事情は改善され、タンパク質が十分に供給されるようになりました。その結果、抗体免疫が過不足なく作られるので、冷たい空気程度では抗体免疫がコントロールできるので、青っ洟が出なくなりました。その反面、免疫抗体が余ってしまい、花粉症が出現するようになりました。鼻水は抗体を多く含んだ透明の水っ洟になったのです。

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この変遷は、鼻水の変化ばかりではありません。
その昔、子供が風邪を引くと、肺炎を併発し重症化することが多かったのです。私も子供の頃、肺炎で入院した経験があります。最近、子供が風邪を引いて肺炎を併発することは珍しいことです。
これも栄養状態の改善による結果です。風邪は、ほとんどがウィルス性感染症です。ウィルスに感染してすぐには免疫抗体が作ることができません。4日~5日のタイムラグがあり、免疫抗体が作られウィルスを攻撃します。顆粒球免疫は、そのタイムラグの間に炎症を作り、後からやってくる免疫抗体が活躍しやすいように環境を整えて待っているのです。
ところが、栄養状態が悪いと、いつまで経っても免疫抗体がやって来ません。顆粒球免疫から抗体免疫にバトンタッチできません。すると、延々と顆粒球免疫=化膿性免疫が持続するので、化膿性咽頭炎や肺炎に移行してしまうのです。

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