前立腺ガンの新しい薬「イクスタンジ」
最近のアステラスのテレビCMで前立腺ガンの新しい薬をほのめかしています。
調べてみると、イクスタンジという新薬です。
どうして、この薬が新たに登場する必要があるのかと一般の人がお思いになるでしょうから、ここで紹介します。
前立腺ガンの癌細胞は、アンドロゲン男性ホルモンのレセプターが細胞表面にあり、アンドロゲンの刺激で癌細胞が増え続けます。
前立腺ガンの治療法は、男性ホルモンの分泌を抑えるか、男性ホルモンをブロックするのが一般的です。しかし、治療経過が長いと癌細胞も賢くて、細胞内に男性ホルモンを作るので、それまでの治療では効果が出なくなります。この癌細胞を去勢抵抗性前立腺ガンと言います。
こうなると、前立腺ガンは力を付けて、その後の抗がん剤治療にも反応しなくなります。
このイクスタンジには、3つの作用があります。
❶アンドロゲンが受容体に結合する過程をブロックする。
❷アンドロゲン受容体が核内へ移行する過程をブロックする。
❸アンドロゲンとDNAが結合する過程をブロックする。
特に、去勢抵抗性前立腺ガンは、癌細胞内で男性ホルモンを作るので、❸番目の作用が有効です。
アンドロゲンに作用する薬剤としてカソデックスがあります。
作用機序はイクスタンジの❶の作用が主です。
したがって、❷❸の作用がない分、臨床効果に差が出てきます。。
模式図は、イクスタンジとカソデックスの効果の違いを示しています。
イクスタンジもカソデックスも同じような薬ですが、作用機序の違いによって効果の違いが出てきます。
イクスタジンは1日1カプセルを服用すれば良いのですが、薬価が高く、1カプセル3600円もします。1ヶ月で10万円越えです。3割負担で毎月3万円にもなります。
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コメント
イクスタジンではなく、イクスタンジです。
投稿: | 2017/09/21 17:47