一期一会
精神性の高い宗教家や接待業の語る言葉に「一期一会」という言葉があります。
広辞苑には、次のように解説しています。
『生涯にただ一度まみえること。一生に一度限りであること。』と定義されています。
Wikipediaには、次のように解説しています。
『一期一会(いちごいちえ)とは、茶道に由来する日本のことわざです。茶会に臨む際には、その機会は二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いであるということを心得て、亭主・客ともに互いに誠意を尽くす心構えを意味する。』
「一期」とは、一生を意味します。「一会」は、出会いです。同じ人間同士の出会いであっても、環境は常に変化(諸行無常)しているので、一生に一回しかない貴重な出会いと思い、全身全霊を持って対応する事だ!と言っているのです。
茶会に限らず、広く「あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ない、たった一度きりのものです。諸行無常の世界にあっては、同じ人間同士であっても、お互いに変化しており、心も肉体のコンディションも違います。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう」という含意で用いられ、さらに「これからも何度でも会うことはあるだろうが、もしかしたら二度とは会えないかもしれないという覚悟で人には接しなさい」と戒める言葉です。
これは医師と患者さんとの出会いにも同じことが言えるのです。初めての患者さんの場合は勿論のこと、何度もお見えになる患者さんの場合も、前回と同じだと思ってはいけません。初診に患者さんとの出会いは、新たな私の経験になるのです。医師は毎日「一期一会」です。
しかし、よくお見えになる患者さんに対して、「また来たの?そんなに頻繁に来ることないよ。」と思わず口にしてしまいます。医師として反省の余地が多分にあるのです。
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コメント
高橋先生、こんにちは。
先生、反省の必要はないと思います。
反省の必要は全くないと思います。
多分、先生はその言葉の意味合いを理解出来る人にしか言われてないと思いますから。
「また来たの?もう来なくていいよ。」
「僕はあなたに会いたくないんだから、あんまり来ないでよ。」
今では診察室で笑いあってしまっていますね。
「私だって来たくて来ているんじゃないんですよ。」(笑)
先生はいつだったか私にこう話して下さいました。
「物事は核心に触れなかったら何も変わらない。」
「本質に迫らなかったら前に進まない。」
その通り、私も全くの同感です。
言いたい事が言えなっかたら最善の治療なんて出来ないですものね。
だから先生が敢て憎まれ口でそのように言われ、こちらが言い易いように仕向けて下さっているの、よくわかります。
先生は常々、
「医者ってそんなに偉いの?」
「僕はただの医者です。」と、言われ、こちらは安心してしまいいつの間にか何でも話してしまっているのです。
それも先生の「人間力。」というものでしょうか?
先生、昨日の診察で丸三年経ちました。
三年前の暑い暑い日、紹介状を握り締め汗だくになりながら先生のところに向かったのを昨日の事のように覚えています。
三年経ち、ここまで回復出来た事を私は本当に喜んでいます。
先生、本当にありがとうございます。
そして、これからも宜しくお願いします。
投稿: | 2017/08/20 18:40