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男女共通の元気ホルモン

ご婦人、特に更年期を過ぎた中高年のご婦人で、食欲がない、元気が出ない、鬱的な気分になるなど体調が優れない患者さんが時々お見かけします。

Img_0323そういうご婦人に限って、お若い頃はとても活動的な活発な元気一杯の女性であることが多いのです。元気な人間は、ホルモン的に男性ホルモンがたくさん出ているか、あるいは男性ホルモンに対する反応が良いということです。男性ホルモンが普通の人よりもたくさん出ていても、生体の反応が悪ければ元気は出ませんし、男性ホルモンが少ししか出ていなくても、生体の反応が良いと元気になります。ですから、男性ホルモンの絶対値だけでは判断できません。

Img_0126そう言えば、大学の同級生の中には、元気で活発な女子が多かった気がします。おそらく、元気な女性だからこそ頭脳明晰で容易に医学部に入学できるのでしよう。

これは女性ホルモンに関しても同じことが言えます。更年期障害の患者さんが、血液検査で女性ホルモンが年齢的に正常範囲だから、今の症状は更年期障害ではなく、自律神経失調症と誤診されてしまうことがあります。正常値による誤診です。

では、このようなご婦人には、どのような対処をすればいいのでしょうか。まずは、女性ホルモンを上げて上げることです。女性ホルモンの注射や内服薬があります。もう一つは、相対的に女性ホルモンを上げる目的で、男性ホルモンを下げてあげればいいのです。裏技ですが、前立腺肥大症に処方する抗男性ホルモン剤、アボルブやプロスタールを処方するのです。しかし、ここで問題が生じます。元気がなくて治療しようとしているのに、元気ホルモンである男性ホルモンを抑えたら本末転倒です。その場合、男性ホルモンの軟膏を皮膚に少し塗っていただくのです。抗男性ホルモン剤は、男性ホルモンの全てを抑える訳ではありませんから、元気は再現されます。

ある患者さんが、膀胱炎症状で来院されました。通常の処方では、なかなか改善が得られないので、裏技を使いました。すると、徐々に症状は抑えられました。ところが、以前から元気がなく食欲もないというお話しでした。病気が原因で「うつ症状」が併発する方もおられますが、もともと男性ホルモンが高い方が、女性ホルモンの低下でバランスが崩れて、さらに男性ホルモンまでも低下することで、そのような症状がでます。男性ホルモンには「うつ症状」改善効果を期待できます。早速、男性ホルモンの軟膏を処方しました。

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コメント

49歳女です。

アボルブを飲んで4ヶ月経ちました。
生理前のイライラが緩和され飲む前よりも過ごしやすくなっております。

アボルブの効果でしょうか?
☪️回答
おそらく、そうでしょう。

投稿: | 2017/07/31 15:44

高橋先生、処方とご回答をありがとうございます。

「僕の仕事を増やさないでよね~。
 僕は会いたくないんだから(診察に)あんまり来ないでよね~。」

一見ドクハラとも思えてしまう先生とのやり取り。

いやいや、高橋先生ほど患者さんに愛情もっていらっしゃるドクターを私は見たことがありません。

言葉の奥にある真意を見つけなければならないですね。

まだまだ暑い日が続きます。
高橋先生もどうぞ、お元気でお過ごし下さいますように。

投稿: | 2017/07/31 18:31

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