虫垂炎
小腸の断端と上行結腸の開始部(盲腸)の移行部にあるのが虫垂です。
ここの化膿性の炎症が虫垂炎です。
天気の良い日、例えば快晴の日には虫垂炎になる患者さんが多くなるという事実かあります。それも腹膜炎を併発するような虫垂が腐って穴が開くほどのひどい虫垂炎の患者さんが外科病院に押し掛けるのが経験的に知られた事実です。
快晴の日、すなわち大陸性の高気圧が張り出している気象環境では、体内の自律神経のバランスが崩れるのです。天気の良い日は、交感神経が極度に興奮するのです。交感神経に支配される顆粒球という白血球が活発になります。虫垂炎の「炎症」を作る主役は、この顆粒球ですから、白血球が活発に動けば動くほど炎症はひどくなります。
逆に、天気が悪い日、例えば低気圧が勢力を伸ばしている気象環境では、副交感神経が優位に働き、副交感神経に支配されるリンパ球が活発化します。体内の免疫抗体に関与するリンパ球が活発になりますから、リウマチや膠原病の患者さんの痛み症状が強くなります。
虫垂炎になるのは、若者がほとんどです。若者は活動的ですから、交感神経が常に興奮するからです。それと同様に、スポーツ選手も交感神経が常に興奮していますから、虫垂炎や化膿しやすいのです。逆に、高齢者は、安静にしていることが多く、副交感神経が優位に働くので、虫垂炎は起こしにくいのです。例外的に高齢者にも虫垂炎になる人はいますから、腹痛の患者さんを高齢者だからといって虫垂炎を除外診断し、治療が後手になることがあるので注意が必要です。
また、栄養不良の人は、白血球か常に興奮していますから、虫垂炎になりやすいのです。
免疫学の権威ある安保徹先生(故人、新潟大学名誉教授、写真)の書籍によると、人間の体質は交感神経優位型の顆粒球体質と、副交感神経優位型のリンパ球体質に分類できます。顆粒球体質の人は、顆粒球がリンパ球に比べて多く、リンパ球体質の人はリンパ球の比率が高いのです。
体質は大雑把に外見でも判断できます。
顆粒球体質の人は、やせ型、筋肉質、色黒で活動的です。いわゆるスポーツマンタイプの人間です。オリンピック選手、ボディビルダー、スーパーマン、ターザンのようです。男としては、一見、理想的な健康的な人間に見えます。
逆に、リンパ球体質の人はポッチャリ型、色白で行動がゆったりした人です。
女性としては、心が癒される人間性です。しかし、男性としては、理想的な風貌ではないでしょう。
顆粒球型の人間は、顆粒球の放出する活性酸素により細胞が破壊され、癌細胞が生まれやすくなります。また、リンパ球の働きが弱いですから、免疫抗体で癌細胞が抑えられずに、癌になる人が増えてきます。オリンピック選手や有名な運動選手が癌で亡くなるニュースをよく耳にします。
【備考】
免疫学権威の安保先生は、免疫を上手く生かせば、病気にかからない、長生きができると講演や著述で述べていましたが、昨年12月に69歳という若さで突然死されました。原因は大動脈解離でした。皮肉なものですね。
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コメント
先生
この前もヤクルトのコーチが42さいの若さで大動脈解離で亡くなりました この病気の予防早期発見などないのでしょうか?
【回答】
大動脈解離は、動脈の多層構造の脆弱化によるものです。
なぜ脆弱化するのかは原因不明です。
その人本来の体質かも知れません。
健康専門家の安保先生ですら、予期出来なかった訳ですから。
投稿: 慢性前立腺炎 | 2017/07/12 12:06