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記憶力の低下

Intyoquestion
最近、記憶力の低下を自覚するようになりました。新しい薬剤の商品名がなかなか覚えられないのです。ストーリー性のある医学情報や病態生理は容易に覚えられるのですが、製薬会社の作った意味のない商品名は覚えられません。

例えば、ハルナールは、排尿障害の治療薬ですが、ハルン(ドイツ語で尿の意味)が出やすいという意味をイメージ出来ます。また、ユリーフも同じく排尿障害治療薬ですが、ユリン(英語で尿の意味)が出るぞ〜とイメージ出来ます。薬効を連想できる商品名は、良いのですが、そうでないものには苦労します。
鎮痛剤のリリカやトラムセットは、連想できるイメージがありません。それでも、医師として覚えなければなりません。そこで記憶術の「語呂合わせ」で覚えます。「狭い部屋に置いてあるドラムセット(トラムセット)が邪魔で、頭が痛いリリカさん」というイメージです。

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現状を何とか打破するために、記憶術関連の書籍をamazonで4冊も購入してしまいました。書籍によると、40歳〜50歳以上では、若い人に比較して記憶力は明らかに低下しているそうです。それを補うのが、人生経験です。仕事にしろ遊びにしろ、勉強にしろ、人間関係にしろ、若い人と比較してはるかに多くの経験を積んでいます。その記憶に覚えたいことを関連づけて覚えるのは、歳を重ねるほど巧みになります。

例えば、先ほどのような「語呂合わせ」も、経験を積めば積むほどバラエティに富んだ文章を作成できます。また、覚える事象を既知の意識と関連づけて覚えることもできます。
その例が、ネオキシテープという頻尿治療薬の覚え方です。一般名はオキシブチニンという薬剤の張り薬です。昔の薬剤でポラキスという商品名の内服薬がありました。その薬剤もオキシブチニンです。この薬剤は効果的だったのですが、成分の一部が肝臓で代謝され、変化した成分が原因で、喉の渇きを訴える副作用が多く出現しました。その副作用を軽減させる目的で外用薬にリメイクされたのです。新しいオキシブチニンという意味を込めて、ネオ+オキシブチニン+テープ=ネオキシテープという商品名になったのです。潰瘍治療薬であるネキシウムとネオキシテープが混同するので、ここまで関連づけないと記憶できません。

FacebookやブログなどのSNS(ソーシャル・ネットワーク・システム)を利用して記憶する方法もあります。記憶は、【記名ー保持ー想起】の各段階があります。思い出すのに一番重要なのが、想起です。しかし、どんなに自分の脳に記銘・記憶しても、99%は忘れるそうです。その原因が、想起できないからです。想起に重要なのは、覚えた事への思い・感想・感情などの「気づき」だそうです。覚えた時の気づきが、想起と100%深く結びついています。その想起を思い出すためには、自分の脳に記録するだけではなく、SNSに記録するのです。その際に必ず「気づき」も一緒に記録すると、過去のSNSを読んだ際に「気づき」の部分を見れば、覚えた事を容易に想起できるのです。

高齢者になれば記憶力が低下することは、前述しました。それを回避する意味で、2日後に日記を付けるのが良いそうです。SNSに毎日日記を付けることは、それに匹敵するのです。何故かと言うと、他人に読んでもらうので、とても真剣に集中して記録するからです。

ただし、注意することがあります。最近の若い人は、自分の病状を説明するのにスマホを読みながら、あるいは私の説明を聞くのに、スマホに入力しながら聞く人がいます。自分の頭を全く使わないで、何でもかんでもスマホに入力するのです。これはこれで、脳の神経配線が萎縮して、痴呆症を準備しているようなものです。スマホを記憶の手段として利用するのは構いませんが、全面的に依存するのはダメです。

Img_0077私が、珍しい病気の患者さんや特異な経過を取った患者さんの診察・診療したり、研究して閃めいた事などをノートに記録せずに、全てブログに投稿しています。その際に感想や気づきを記録として残しています。おかげで、過去のブログを読むと、記憶が速やかに思い出します。ブログは約2,000ページ程、紙ベースで3,000枚以上になります。いつでもどこでも読むことのできる私の記憶貯蔵庫になります。

記憶の作業は、インプットになります。思い出すことは、アウトプットです。インプットだけでは、記憶に残りません。必ず、定期的あるいはアットランダムにアウトプットすることが記憶の定着に結びつくのです。ブログには質問コメントが投稿されます。質問コメントは必ず読み、必要であれば回答します。その行為は、アウトプットですから、記憶が定着するのに役立ちます。今までに12,000以上のコメントが登録されています。
Img_0078また、来院した患者さんに、悩まれている病気の病態生理を説明します。当然、何も見ないで患者さんにプレゼンテーションしている訳ですから、これもアウトプットになり記憶が定着するのです。人に解説することは、重要なアウトプットです。当院の患者さん総数は、開業から27年間で新患数35,600人を超えていますから、実際には、再診患者さんも多い訳ですから、その三倍以上の患者さんにプレゼンテーションしていることになります。

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漢方薬で遠志(オンジ)という漢方薬が、記憶を活性化すると言います。仁丹薬房などで販売しています。興味ある方は、そちらをご覧ください。

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