想いの具現化
過去に様々な状況下で、色々思いを馳せることがあります。周囲に対して、いつも興味津々の私の性格だから仕方がありません。しかし、それが予想外の結果を生むのです。
ある日、テレビのドキュメンタリー番組で、慢性腎不全の患者さんの苦労話しを見ていました。その時に何気なく、『大変だな?自分だったら、どうするだろうか?』と思いつつ、『自殺?』とフッと思いました。そしたら、現在の私が慢性腎不全でとても苦しんでいます。
ドラマで、イギリス人の主人公がステッキを常に手にしていて、『粋だな?でも、日本でステッキを持っていたらキザ野郎だから持てないな。』とフッと思いました。現在、尿毒症の後遺症で足元が不安定で、トレッキング・ポールだけでなく、今では、正式な場所での外出用のステッキを否が応でも購入せざるを得なくなりました。
今思えば、このような現象は、私の周りでたびたび起きています。高校2年生の時に、学内の試験で一番になりたいなと思ったら、何と本当に一番になりました。
私の通学していた小学校、中学校は都内でも有数の進学校でした。頭の良い学生、優秀な学生、スポーツ万能の学生など、私とは月とスッポンの状況でした。もちろん、私がスッポンです。何とか、みんなを見返してやりたいなという思いはありました。医師になった時に、小中学校の同級生はたくさん医師になっているのだろう?と思っていました。勉強ができる連中は当然でしょう。ところが、同窓会で判明したことですが、医師になっていたのは、卒業生でほんの数人でした。みんな大企業や公務員には興味があるのに、医学には全く興味がなかったのです。
学生時代、憧れの同級生が存在しました。でも周囲には優秀な学生がゴロゴロいましたから、無理だろうと諦めていました。ところが、縁あって結婚前提にまでお付き合いしました。しかし、研修医時代に色々あって破局しました。
大学受験で浪人中に、病院の中を忙しく白衣をなびかせながら走り回っている自分を想像したら、現実にそうなりました。私が入局した泌尿器科学教室は、当時、研修医1年目が私たった一人で、しかも研修医2年目が7人もいたので、下っ端の仕事は全部私一人でこなしていました。本当に忙しく走り回っていました。
事情があって大学病院を退職した時、教授候補が一人いなくなった訳ですから、さほど引きとめられもしませんでした。その時には、何となく悔しいなと思っていました。すると、大学病院で泌尿器科教室の手術の失敗が原因で患者さんが亡くなり、マスコミに取り上げられる大々的な刑事事件に発展しました。そのため泌尿器科学教室に当時在籍していた医局員からは、誰一人として主任教授は選出されず、外部の他大学出身の若い医師が主任教授になりました。私の前後の約20人の教授候補の当時の医局員からは、誰一人主任教授にはなれなかったのです。高橋先生はいい時に辞めたね?とまで言われました。
時代の流れで院内処方は、クリニックの経営に負担をかけるだけでした。薬問屋の人に頼んで、近くに院外薬局を開業してくれる先生を探しました。しかし、当院のような小っぽけなクリニックのために開業してくれる先生はいないだろうと諦めていました。ところが、手を挙げてくれた薬剤師の先生が現れました。それが、高橋クリニック近くに開業している馬込薬局の小澤先生です。とても感謝しています。今では、都内でも有数の個人薬局になっています。
私は臆病でシャイで人前で話をすることができない人間でした。これではイケない!何とか自分を変えなければ!と思ったら、泌尿器科学学会でいくつも報告したり、医学講座で開業医に講演したり、最後にはラジオ番組やテレビ番組に出演したりもしました。執筆して、世の中に自分の考えを残したいと思っていたら、ある出版社から執筆依頼があり、一冊の本を書きました。また、自分の考えを広めたいと思い、ブログを書き始めました。どうせ長くは続くまいと思っていましたが、書き始めてもう10年以上が経ち、ブログのページ数が二千ページにまでなりました。これをキッカケに、新聞や雑誌のインタビューを受け、コラムを書くようにもなりました。
無意識にフッと思ったことが、現実世界に具現化することがあります。しかし、それは良いことばかりとは限らないのが、恐ろしいところです。まるで、私の守護霊は、魔法のランプの「ジニー」のようです。善悪関係なく、私の無意識の想いを実現するのです。ですから、ひたすら何も考えずに、目の前の仕事(臨床)に集中し、患者さんのしあわせをただ祈るのみの今日この頃です。
| 固定リンク
コメント
本当に不思議なことが沢山おきます。
今回の甲状腺腫瘍の発見もたまたま珈琲専門店で馴染みの医師がホルモン療法の副作用のわずかの可能性の間接性肺炎のレントゲンとCTを自分の診療所(珈琲専門店の近くの)で撮ったことで判明しました。画像の専門家が来られていてわかりました。
京大病院で検査中ですが不安です。
先生によるとこんな偶然は一年に一回ぐらいおこるそうです。
先生はCTを撮ることに日頃反対の立場でしたが、なぜか今回は撮ったのが解らなかったそうです。
保険証も診察券も持たずに行きました。
先生も自分自身もわからないと言われています。
自覚症状が全くなかったのでなぜこのようなことが一瞬で起きたのか不思議です。
【回答】
不思議なことを多く経験する人は、神様や仏様が、その人の反応を観るのが楽しいのかも知れません。
投稿: 京都在住 | 2017/05/06 09:47
ご回答ありがとうございました。
毎朝珈琲専門店の大きな丸いテーブルを囲まれている数名のお医者さん達もびっくりされて私のことを「幸運でしたね」と声をそろえておっしゃっています。
たまたま画像の専門家が京大から来られていたので見つかりました。親しい先生は「私は専門でないからわからなかった」と言われています。
毎朝1時間ぐらいの診察前の時間に先生たちと世間話をします。
いままでもこの場所で不思議なことがよく起きます。
京都でもっとも有名な店なので数十年の思いが渦巻いているのかもしれません。
大きな店なのですが、この丸い大きなテーブルだけは他のテーブルとは色が違っていて昔から知らない人は座りません。
指定席ではないのですが、暗黙の了解のような雰囲気があるのかもしれません。
京大の医学部の先生方のたまり場なのですが、決して権威的ではなく自由な雰囲気にあふれています。
もし三輪明宏さんや佐藤愛子さんが座られたらどんな話になるだろうと想像しています。
投稿: 京都在住 | 2017/05/06 14:33