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世界の泌尿器科医事情 m3.comから

Img_0066世界から見た日本の泌尿器科医

 米国泌尿器科学会(AUA)が3月9日、世界の現役泌尿器科医の実態調査を発表した。日本も調査に参加している。調査項目別の日本の位置付け、世界の動向は。
 診療に従事する泌尿器科医の年齢(中央値)が最も若いのはメキシコ(43歳)、サウジアラビア(44歳)、中国(45歳)など。最も高齢なのは英国、イスラエル(いずれも57歳)、日本は50歳。(私は64歳)
 泌尿器科医に占める女性の割合が最も多いのはスペイン(17.1%)、カナダ(10.4%)。ゼロは31の国・地域のうち、英国、トルコ、ドイツ、イスラエル、サウジアラビア、フィリピン、韓国、中国、エジプト、アフリカの10カ国が占めた。日本は3%で13位。
 普段の週当たりの勤務時間の長さ(中央値)は、日本がカナダ(60時間)に次いで2位(58時間)。最も少ないのはトルコ(32.5時間)、コロンビア(34時間)、メキシコ(35時間)など。普段の週当たりの患者診療の時間は週当たり勤務時間が最も長いカナダが50時間で1位。日本は40時間で8位。最も少ないのはコロンビアで19時間、トルコ20時間。(病後診療時間を減らして42時間)
 週当たりの診療患者数は韓国が120人で最多。ドイツ、インドが100人で2位。日本は80人で7位。最も少ないのはメキシコで37人。(私で週に150人以上)
 調査前年(2014年)の休暇期間はオセアニア、英国、ドイツが6週間と最長。日本は韓国と並んで2週間で最も短かった。退職予定年齢は日本を含む11カ国が70歳。米国は68歳、カナダ、英国、韓国、中国、エジプトは65歳だった。(私は今月で65歳だから、あと5年?)
 地域別のサブスペシャルティ上位3位は米国(北南米)と欧州で泌尿器内視鏡・結石疾患とオンコロジー、勃起障害のいずれかであった。これに対し、アジア地域は、日本の「オンコロジー、腹腔鏡手術、泌尿器内視鏡・結石疾患」、フィリピンでは男性不妊、サウジアラビアで男性不妊と勃起障害、バングラデシュでは男性泌尿生殖器再建がランクインするなど変化に富む結果が示されている。(私で慢性前立腺炎、間質性膀胱炎、前立腺肥大症、内視鏡処置)

【参考】
世界中に泌尿器科医はたくさん存在し、その状況は上記の具体的な数字です。元々、泌尿器科学は外科から分かれましたから、泌尿器科学は外科の専門分野に過ぎません。日本では、最初に泌尿器科に興味を持ったのが、東京大学の出身の外科医朝倉先生です。日本では外科の一部と皮膚科が診療科になりました。一般の人の中には、泌尿器科は内科系と誤解された人がいます。「私が前立腺の手術をしましょう」とお話しすると、「外科を紹介してくれるのですね?」と答える患者さんが時々います。
この朝倉先生が日本で初めての泌尿器科専門の朝倉病院を作りました。そして朝倉先生が還暦を迎えて朝倉病院を閉じました。当時の初代慈恵医大の高木兼寛学長が、引退した朝倉先生を説得して新設した泌尿器科の教授になってもらいました。これが日本で初めての大学の泌尿器科学教室の誕生です。

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その後、教授は何人か変わりましたが、皮膚科のイメージが色濃く残っていました。当時の学長の樋口先生が、外科の腎臓手術の上手な外科の南助教授を無理やり教授に抜擢しました。驚いた南先生は、腎臓手術以外の泌尿器科の外科手術を短期間で猛勉強して、現在の泌尿器科外科のイメージを完成させました。また、今では、日本中どこの泌尿器科も内視鏡手術を行なっていますが、当時の日本では内視鏡手術はほとんど行われていませんでした。そこで、内視鏡手術の盛んなアメリカに医局員を何人か派遣し、修行させました。その結果、内視鏡手術といえば、慈恵医大とまで言われました。
http://jikei-ur.umin.jp/about/history.html


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