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人間ドックの弊害

人間ドックを受けて、異常を指摘され来院される方がたまにいます。
データを見ると、些細な異常値を大袈裟に指摘され、患者さんはとても心配して来院されるのです。
以前に「健康診断」について解説しています。(http://hinyoukika.cocolog-nifty.com/kobore/2014/10/16145-2b78.html)
通常、健康診断で70%の人が異常が指摘されるという事実があります。

例えば、肝機能障害を示すデータ、GOT、GPTが高くなった時に、専門医に受診してくださいと記載があるだけです。そんなことは、素人でも分かることです。医師なら、患者さんが太っていれば脂肪肝を疑い、飲酒の習慣があれば、γGTPを参考にアルコール性肝炎を疑います。そのような意見を述べれば、患者さんも生活習慣を改めて後に、再度検査を受けて、その結果を知ることで、時間の無駄を省くことができます。

例えば、潜血反応の陽性反応が出た場合、腎炎の疑いありと診断されます。しかし、蛋白尿がなければ腎炎は否定的です。 また、尿沈渣検査で、赤血球の形状を調べれば、腎炎による潜血反応か尿路出血(腎癌、膀胱癌、前立腺炎、尿路結石)によるものかの鑑別ができます。潜血反応だけで、赤血球が認められなければ、過剰な運動による血色素尿と判断できます。

例えば、男女ともに更年期(50歳以上)を越えていれば、コレステロールが高くなるのは当たり前です。それを過大評価して、脳梗塞や心筋梗塞の原因とするのは過剰診療です。

例えば、オプションのPSA検査で異常値が出ると、即、前立腺ガンを疑います。PSA検査の理論と歴史を全く知らずに人間ドックの診断担当になるのは、あまりにも無責任です。

人間ドックの担当医師は、知識が浅くて、ただ受診した患者さんを悩ませ心配させているだけです。通りすがりの見知らぬおじさんが意見しているようなものです。担当医師は、もう少し深く勉強しなければなりません。せっかくお金を払って検査を受けた患者さんに、有意義な情報提供して、患者さんが想像できない位の利益を提供すべきです。

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コメント

先生
私は年に一回人間ドッグと胃カメラを受けています
三年に一回は大腸カメラです
それも不用だと思われますか?
【回答】
目的を持って、受けるのはOKです。
何となく受けて、心配するのは、無意味です。
医師で人間ドックや健康診断を受ける人は、少数派です。

投稿: 慢性前立腺炎 | 2017/04/29 21:25

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