第126噺(145噺中)「熱中症の誤解」
毎年夏になると、4万人前後の人が熱中症で救急車で搬送されます。
政府の広報やテレビで、「水分をたくさん摂取してください」と見聞きします。日本人は素直ですから、ほとんどの人が熱中症対策で水分をたくさん摂取しています。では、どうして、こんなにもたくさんの人が熱中症で倒れてしまうのでしょう。
それは、知識人にも政府にも、熱中症に関して誤解があるからです。炎天下でスポーツをしている人たちと、熔鉱炉やガラス工房で作業している人たちを比較して見ましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
状況………………熱中症………………脱水症
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
炎天下の
屋外スポーツ………†††………………†
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
熔鉱炉
ガラス工場…………†††………………††††
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
炎天下の屋外スポーツをしている人たちは、熱中症であり、脱水症ではありません。ですから、水をいくら沢山補給しても、熱中症は防げないのです。熱中症防止のためには、水を補給するのではなく、水を使って、熱くなった身体を冷やして上げれば良いのです。例えば、冷たい水をかぶるとか、冷たくしたタオルで首や腋の下に冷やすなどと小まめに行うのです。
熔鉱炉やガラス工房で作業する人たちは、熱中症にも脱水症にもなるので、身体を冷やさことと、水を沢山補給することの両方が必要です。
しかし、世界的には、熱中症の予防は、水分摂取で大丈夫なのです。なぜなら、日本を除く先進国は、ほとんどが大陸で湿度が低いのです。その結果、汗をかいても蒸発するので、気化熱で体温が下がるのです。ところが、日本の夏は湿度が高く、いくら汗をかいても、蒸発しないで滴れるだけです。つまり、いくら汗をかいても、体温が下がらないのです。先進国の医学の常識が、そのまま日本に適応できないのです。
| 固定リンク
« 人間ドックの弊害 | トップページ | 六根清浄 »
コメント