« いわゆる、慢性膀胱炎・間質性膀胱炎の症状の秘密と治療 | トップページ | 水分摂取の功罪 »

いわゆる、慢性前立腺炎の症状の秘密と治療

前回、慢性膀胱炎の症状について解説しましたが、今回、慢性前立腺炎の症状の秘密に関して解説しましょう。これ以外に、前立腺症、前立腺疼痛症、慢性骨盤内うっ血疼痛症候群も、すべて同じ範疇の病気です。

❶慢性膀胱炎と同じように、排尿障害が原因です。ですから、排尿障害の治療が第一選択薬です。治療薬としては、αブロッカーであるユリーフ、ハルナール、エブランチルなどがあります。

❷第二選択薬として、頻尿治療薬であるベタニス、ベシケア、ウリトス、トビエースなどがあります。この治療の目標は、今まで何回も強調している「膀胱の魚の目」です。この魚の目が、頻尿や残尿感以外の多彩な不定愁訴である睾丸の痛み・痒み・違和感、鼠径部の痛み、坐骨神経痛、腰痛、腹痛、肛門の痛み・痒みです。理由は、膀胱三角部の過剰の興奮が脊髄神経回路に入力されたされた際にシャッフルされ、多彩な症状を作るのです。ですから、この過剰な興奮を抑えて上げれば良いことになります。

Cp35399m55uonome

❸第三選択薬として、アボルブなどの抗男性ホルモン剤があります。元々は前立腺を小さくする薬剤ですが、前立腺を柔らかくすることで、膀胱三角部の魚の目の緊張を除去してくれます。
この写真の患者さんは、50歳代のの男性です。陰部の痺れで長期間悩まれ、常に自殺を考えてた方です。ユリーフやベタニスで治療していましたが、最後にアボルブを併用したところ症状が落ち着きました。

❹また、新しい薬剤として、ザルティアがあります。副作用として勃起しやすくなるので、若い男性には別の悩みになることがあります。

❺第四選択薬としてデパスやリリカやカロナールなどがあります。これらの薬剤は「膀胱の魚の目」で作られた過剰な情報が、脊髄神経に入力するのを抑えることができるからです。しかし、長期に大量に服用できないので注意が必要です。

❻第五選択薬としてサプリメントがいろいろあります。このブログで、すでにご紹介していますが、大豆イソフラボン、 ノコギリヤシ、カボチャの種、グリシン・グリナなどがあります。作用機序は少しずつ異なりますが、詳しくは「前立腺とサプリメント」を参照してください。

❼薬剤以外の選択肢として、磁気刺激装置による前立腺・膀胱三角部の緊張緩和があります。ただし、毎週1回の通院治療が必要になります。

❽他に治療薬がないとあきらめていた方の印象はいかがですか?手はいくつもあるのです。病気の原因を明確に理解できれば、このように氷解できるのです。今の主治医にこのブログを読んで頂き助けてもらってください。泌尿器科の先生!よろしくお願いします。治らない病気と思い込んで、いつまでも無駄な治療を惰性で続けるのではなく、本当にだまされたと思って、上記に掲げた治療を行なってみてください。きっと患者さんに感謝されますよ!

|

« いわゆる、慢性膀胱炎・間質性膀胱炎の症状の秘密と治療 | トップページ | 水分摂取の功罪 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« いわゆる、慢性膀胱炎・間質性膀胱炎の症状の秘密と治療 | トップページ | 水分摂取の功罪 »