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塩分摂取量と夜間頻尿 m3.comから

1日塩分摂取量は頻尿および夜間頻尿の独立した危険因子である
2017年04月04日

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器科学の松尾朋博氏らは、横断的分析を実施し、1日塩分摂取量と下部尿路症状との関連を評価した。
【方法】
患軽度または併存疾患がない者728人を組み入れた。
スポット尿サンプルを採取し、推定1日塩分摂取量を評価した。
平均塩分摂取量(9.2 g/日)に基づき、患者を2群に分けた。
主要下部尿路症状スコアおよび3日間の頻度・尿量記録を用いて、排尿状態を評価した。
多変量ロジスティック回帰分析を用いて、塩分摂取が下部尿路症状に及ぼす影響を評価した。

【結果】
塩分摂取量の少ない群(低塩分摂取群)に比べて、塩分摂取量の多い群(高塩分摂取群)では日中の頻尿および夜間頻尿が多かった(P<0.001)。
高塩分摂取群におけるQOLスコアおよび夜間多尿指標は、低塩分摂取群に比べて不良であった(P<0.001)。
多変量解析によると、1日塩分摂取量が日中の頻尿(OR=2.32、95%CI 1.66-3.25、P<0.001)および夜間頻尿(OR=3.05、95%CI 2.08-4.52、P<0.001)増加の独立した増悪因子であった。
高血圧もこれらの症状の独立変数であった。

【結論】
過剰な1日塩分摂取量が頻尿および夜間頻尿に悪影響を及ぼす。
高血圧もこれらの症状の危険因子である。
頻尿および夜間頻尿の治療には、塩分摂取および血圧の適切なコントロールが重要と考えられる。

【備考】
Ramen
頻尿や夜間頻尿ある方は、一度、ご自分の塩分摂取量を検討してみてください。
老化現象・経年変化により、腎機能は確実に低下します。60歳で約60%まで低下するのです。その結果、日中に十分に尿から塩分を排出・排泄できませんから、夜間に尿量が増加し、塩分を排泄しようとします。それが、夜間頻尿になるのです。
目安としては、厚生労働省が基準として塩分の一日摂取量は6グラムです。ちなみに、ラーメン一杯をスープまで飲み切ると、塩分摂取量は7グラムです。毎日かなりの量の塩分を摂取している勘定になります。

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コメント

高橋先生、先日は内視鏡手術を施術して頂きまして、
誠にありがとうございました。
家族も手術が上手くいった事で一安堵し、あとは経過が
良くなってくれるようにと、祈ってくれてもいます。

術後数日を経て、排尿痛も出血も大分治まって来たの
ですが、多尿気味となってしまい、痛みを伴う尿意との
闘いの日々でもあります。
ちなみにこの多尿症状は手術以前、それもハタチ前後
くらいからよく経験していました。
先生のクリニックに通院開始後も、水分摂取を控えて
いたのに拘わらず、急に多尿に襲われる事が多々あり。。

そんな時にこのブログを拝読していて、ハッと気付いた
事があります。
もしかしたら、自分は塩分摂取が過多なのでは‥‥?と。

ラーメンなどの汁物はスープまで飲んでしまいますし、
ポテチや塩っぱい酒のつまみ(今は飲めませんが)など
も大好きで、しょっちゅう晩酌の友に食べていました。
鮭とばとかジャーキーとか‥‥美味しいですよね(笑)
 
50才を過ぎて、最近特に頻発するようになったのも、
若い頃よりも腎臓機能が衰えている事が原因であれば、
容易に理解出来ます。
素人考えでも、排尿障害や膀胱頚部硬化症が多尿に
結び付く事は考えにくいので、必要以上の塩分摂取が
原因なのではと、そう考えた次第です。

次回の通院時に、先生のご見解を覗えると幸いです。

投稿: NT | 2017/04/16 21:09

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