第124噺(145噺中)「ウオーキングと血糖値変化」
採血しないで測定出来る血糖測定器を手に入れたので、いつでも随時血糖値を測れることが出来ます。そこで、これを利用して、食後の私の血糖値変化を調べてみました。
江戸時代当時の主食である大量の白米は、すべて血糖値をダイレクトに上げます。たから、今から思えば、糖尿病が多い筈でした。しかし、当時の江戸時代には糖尿病の人は、ほとんどいませんでした。
例えば、江戸時代の長屋のおかみさんは、毎日5里(約20キロメートル)も歩いたそうです。ですから、江戸時代の一般人に糖尿病にかかる訳もありません。しかし、家でじっとしている大店(おおだな)の奥さんや、大名の奥方には、この限りではありませんでした。
せっかく、ウオーキングマシンを最近購入したので、これを使わないの手はありません。
そこで、食後60分休息してから、ウオーキングマシンに乗り、一定時間歩行し随時血糖値を測定しました。その結果が、次のグラフです。
【コントロールデータ】
朝食:トースト1枚、卵、ほうれん草、ミカンの缶詰、ヨーグルト、コーヒー
食前91
食直後101
食後30分147
食後60分141
食後90分150
食後120分142
食後180分138
食後240分132
食後270分124
【運動(ウオーキング)負荷データ】
朝食:トースト1枚、卵、ハム、果物(バナナ・オレンジ)、ヨーグルト、コーヒー
食前100
食直後100
食後30分145
食後60分143
ウオーキング500メートル(約10分)直後135
食後90分146
ウオーキング500メートル(約10分)直後149
食後120分129
ウオーキング500メートル(約10分)直後103
食後180分123
食後240分121
食後270分119
備考:診療しながら空いている隙間の時間を見つけては、実験しました。したがって、まとめて長時間のウオーキングできませんでした。
【考察】
朝食内容は、どちらも、ほぼ同じなので、条件設定は同じと考えます。
2つのデータと血糖値推移のグラフを観察すると、判明したことがいくつかあります。
まず、ウオーキングするまでは、血糖値の変換はほぼ同じです。ただし、ウオーキング負荷をかけた方は、ウオーキングの後から、変化が出てきました。ウオーキング直後に一時的に血糖値が高くなることがあります。おそらく、運動中はエネルギー源である血糖が必要になるからでしょう。
しかし、運動してからしばらく経過すると、まるで反動するかのように血糖値が下がります。これは、筋肉組織が血糖を欲して、吸収されるからでしょう。
そして、運動後しばらく経過しても、血糖値は上がらなくなります。
以上から、ウオーキング程度の運動であっても、血糖値を下げる体質を作る可能性が認められました。
毎日、5000歩(約4キロメートル弱)を日課にしています。患者さんが空いている時に、暇を見つけては、ウオーキングマシンに乗っかている毎日です。10分で歩ける距離が、約600メートルです。
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