第112噺(145噺中) 「炎症の誤解」
「炎症」とは、生体の生理的反応です。
生体は、刺激があれば、それを外的刺激、あるいは外的攻撃と考えて、炎症反応が起きます。それは、怪我、火傷、細菌感染 、ウィルス感染など、あらゆる刺激に対して反応するのです。
その反応とは、病理学的には浮腫、出血、リンパ球浸潤、白血球浸潤などです。また、二次的に細菌が増える事もあります。白血球浸潤で常在細菌が殺されるので、その攻撃に負けないように常在細菌が増殖します。常在細菌か二次的に増殖している光景を観察して、常在細菌が炎症の原因と誤診されてしまうのが、よく見られる誤診です。
前立腺マッサージで前立腺液に白血球が観察されると、即座に細菌感染と誤診されます。排尿障害が継続し、前立腺に物理的負担が強いられると、外敵攻撃と考えて、前立腺に白血球が集合するのです。そのため、抗菌剤、抗生剤を長期間処方されても、いわゆる「慢性前立腺炎」症状は治らないのです。
外敵攻撃は細菌ばかりではないことをシッカリと認識しなければ、患者さんは途方にくれることになります。
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