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小線源療法を行った前立腺癌の患者さん

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70歳代の男性が、排尿の際に尿道の先が痛いと言って来院されました。
尿道から膿もなく、性行為を行っている様子もありません。
既往歴を聞くと、2年前に前立腺癌で小線源治療を行ったというのです。PSA値が5.0を超えた時点で、前立腺針生検を実施し、グレソンスコア6程度の中等度悪性の癌が発見されたそうです。治療の選択肢は、①何もしない、②手術、③放射線療法を提示され、大学病院のすすめもあり、放射線療法の小線源療法を選択しました。
そのおかげで、現在PSA値は低値だそうです。
室内でガイガーカウンターで測定すると、0.09μシーベルト程度が正常です。

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しかし、患者さんの恥骨にガイガーカウンターを当てると、0.2μシーベルトと明らかに放射線が漏れ出ていることが分かります。
・・・ところが、前立腺癌の治療以前より頻尿があり、昼間は1日10回以上、夜間は3回排尿のため目が覚めるそうです。

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確認の意味で、超音波エコー検査を実施しました。
写真は前立腺を正面から観察した所見です。赤い矢印で示した部分が、小線源の針です。少なくても、10本以上の放射性物資の針が、前立腺に刺入されています。

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さらに、超音波エコー検査で詳細に前立腺を観察すると、膀胱三角部は肥厚し、膀胱括約筋の変形・変位しています。これらの所見は、以前から排尿障害が存在いていたことを示唆します。患者さんの訴える頻尿症状は、この排尿障害が原因です。

この事実から、この患者さんは以前より排尿障害が存在していて、そのためにPSA値が高くなり、前立腺針生検でたまたま発見しなくてもよい良性に近い前立腺癌が発見され、その結果、小線源治療をされた疑いがあります。

尿道の痛みは、頻尿の別の顔として考えることができます。
患者さんにはαブロッカーのユリーフと頻尿改善薬のベタニスを処方しました。
前立腺癌が発見されて幸運だったのかどうかはわかりませんが、過剰医療と考えることもできます。


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