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第99噺(145噺中) 「充当療法?」

私に例えると、現在、私は慢性腎不全のためにいろいろな薬を服用しています。
腎性高血圧が頑固なために、降圧薬を3種類、尿量の減少とナトリウム排泄を促すために、2種類の利尿剤を服用しています。電解質バランスが悪いため、カルシウム濃度を上昇させるためにビタミンD3活性剤とカルシウム剤を服用し、血中のリンが高いので、毎食後リン吸収剤を服用しています。腎性貧血のためにエリスロポイエチン注射と鉄剤を補給し、おかげで便秘するので少量の下剤と乳酸菌を服用しています。

このような処方や治療法は、症状や検査所見の異常を是正するための方法です。つまり、症状や異常所見の数が増えれば増えるほど、処方する薬剤の数が増えるのです。症状や異常所見に対して充当する治療法なので、「充当療法」というべき治療法になります。現在の医療のほとんどが、この充当療法です。

しかし、病気の根本を治すことができれば、充当療法は存在しなくなります。私も慢性腎不全を治すことができれば、こんなにも薬を飲むこともありません。
週刊誌で、「服用してはいけない薬剤」や「受けてはいけない手術」などとセンセーショナルなテーマで販売部数を伸ばしていますが、この充当療法を否定するのなら、現代医療を否定することになります。

この充当療法は、言い換えれば「対症療法」「姑息的療法」「非根治療法」と言えます。根本原因を治療しないで、派生する様々な症状に対して治療するというものです。
それに対峙する言葉としては、「原因療法」「根治療法」があります。医療は原因療法を実践すればよいのですが、原因の分からない病気が多いので、結局、充当療法になってしまうのです。

例えば、更年期を過ぎると男女ともに血液中のコレステロールが高くなります。血液中のコレステロールが高くなると、動脈硬化が進み、脳梗塞、脳血管障害、狭心症、心筋梗塞の発症率が高くなるので、巷ではコレステロールを下げる治療が主流です。そのおかげでコレステロールを抑制させる薬の売り上げは莫大なものになり、製薬会社はウハウハです。
それでは、更年期を過ぎると、なぜコレステロールが高くなるのでしょう?これは、更年期を過ぎると男性であれば男性ホルモンが、女性であれば女性ホルモンの分泌が低下するからです。男性の場合、更年期を過ぎると、睾丸が委縮し、男性ホルモンを合成できなくなります。中枢神経は男性ホルモンの合成を促すために、ホルモンの材料であるコレステロールを肝臓でたくさん作らせます。しかし、睾丸が委縮しているので、材料が供給されてもホルモンは作れません。そのため、過剰になったコレステロールが血液中に高濃度になり、結果、血管壁にコレステロールが貯蔵され、動脈硬化になるのです。この病態生理の環境の中でコレステロール合成を抑える薬を服用しても、問題解決にはなりません。根本原因の男性ホルモンを投与すればよいことです。女性の場合も、睾丸を卵巣に、男性ホルモンを女性ホルモンに置き換えれば、まったく同じです。

医師は頭を使って、充当療法(対症療法)ではなく、原因療法(根治療法)を積極的に開発すべきです。

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コメント

受診カード34237です。
私は現在ホルモン療法を9ヵ月継続中ですが、動脈硬化やその他の副作用があるのでしょうか?
【回答】
可能性はあります。
コレステロールが上昇すれば、その可能性があります。」

先生からは最もオーソドックスな治療だと言われています。
【回答】
自然な状態ではありませんから、理論通りになるとは限りません。」

現在の血液検査では異常はありませんが、やや糖尿の気があります。
PSAは0.045です。
京都の主治医はもう少し続けると言っていますが、副作用を考えると辞め時というのはあるのでしょうか?
【回答】
パルス療法もあります。
定期的に休止するという方法です。
まだ確立された治療ではないので、十分に経過観察する必要があります。」

命と生活の質を考えた場合私は生活の質を優先したいと思っています。
来年70歳なので残された時間を有効に使いたいと思います。
2度高橋先生の所でお話をお伺いして精神的に立ち直りました。
今後の治療に役立てたいと思います。
【回答】
まだまだ大丈夫でしょう。
長生きしてください。

投稿: 京都在住 | 2016/08/02 15:45

早速のご返答ありがとうございます。
本当に先生のような方が京都におられたらどんなに心が落ち着くことでしょう。
また時期を見て私の治療過程をご報告に行きたいと思っています。
よろしくお願いします。

投稿: 京都在住 | 2016/08/05 08:19

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