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第103噺(145噺中) 「元気になるホルモン」

元気になるホルモンがあります。それは、男性ホルモンです。
男性ホルモンと女性ホルモンと名称が性別で分かれていますが、この名称は、現実的には誤りです。なぜなら、男性にも女性ホルモンは作られていますし、女性にも男性ホルモンが作られているからです。

正しくは、男性の場合、睾丸で男性ホルモンが作られ、副腎で女性ホルモンが作られます。
女性の場合、卵巣で女性ホルモンが作られ、副腎で男性ホルモンが作られているのです。

男性ホルモンの代表がテストステロンで、活動的で筋肉をつけ頑張るためのホルモンです。女性ホルモンの代表がエストロゲンで、保守的で身を守り脂肪が蓄積させるためのホルモンです。男性ホルモンも女性ホルモンも、男女に関係なく必要不可欠なホルモンです。男性の睾丸に多いので男性ホルモン、女性の卵巣に多いので女性ホルモンと便宜上命名されたのに違いありません。

元気な女性には比較的男性ホルモンが多く、大人しい男性は男性ホルモンが比較的少ないのです。ですから、50代を過ぎて更年期の時期になって元気のなくなった男性に男性ホルモンを追加してあげると、途端に元気になります。女性の場合も更年期過ぎの元気がなくなった人に、男性ホルモンの軟膏を毎日少量塗り続けると、途端に元気になります。

男性ホルモンは、実は性別に関係なく「元気になるホルモン」なのです。

前立腺ガンの究極のガン細胞は、自分で男性ホルモンを作ることができます。そのため、男性ホルモンを抑える治療を行っても、前立腺ガンはドンドン増殖します。このような前立腺ガンを、ホルモン抵抗性前立腺ガンといいます。
つまり、前立腺は男性ホルモンが欲しくて、前立腺ガンを作ったとも考えることができます。更年期の時期の男性は男性ホルモンを早めに補充してあげれば、前立腺ガンにはならないかも知れません。

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コメント

受診カード34237です。
現在ホルモン療法で月に一度女性ホルモンを注射していますが、元気ホルモンの逆ということでしょうか?
これと言って副作用は感じませんが、h1b1cが昨年の11月から6.4 7.3 7.7 8.4と上昇してきました。
主治医は食事に気を付けるように指導しています。
特に暴飲暴食などしませんしアルコールは一切飲みません。
糖尿病など考えたことのない69年間だったので今後食事制限だけでいいのか不安です。
その他の血液検査は正常です。
今後どのようなことに気を付ければよいでしょうかお教え下さい。
よろしくお願いします。
【回答】
女性ホルモンは身を守るためのホルモンと考えば良いでしょう。
男性ホルモンは、外にエネルギーを発散するためのホルモンで、女性ホルモンは内部にエネルギーをためるためのホルモンだと考えれば納得出来ますか?
生命の時期に応じて、優位になる最適ホルモンが変化すると考えれば、良いでしょう。
エネルギーをためるために、エネルギーの元である血糖が上がるのは不思議ではありません。

投稿: 京都在住 | 2016/08/12 14:17

ご回答ありがとうございました。
身を守るためのホルモンということなので、納得しました。
食事にも気を付けて治療を続けたいと思います。

投稿: 京都在住 | 2016/08/13 08:24

そういえば私、30代~40代にかけておそらく若年性?の男性更年期と思える症状がありました。
なんの対処もしませんてしたが、男の威厳的な部分で男性機能が衰えていくことには一抹の不安が…

まぁ大した使い道もないので放置していましたが、なにか焦りのような感覚はありました。

情況からするとその頃には、既にラテント癌はあったのかなぁとも思われますが、もしかしたら男性ホルモンを渇望する前立腺が頑張ってしまったのでしょうか?
そうだとしたら大きく顕在化する要素はあったものと推測します。
【回答】
私の理論は、あくまでも私の仮説です。
噺半分として、自分にマイナスになることを考えるのはやめましょう。」

このような流れでPsa高値そしてイワに触れるという顕在癌になったとした場合、ホルモン抵抗性前立腺癌になりやすい体質ということになるのでしょうか?
【回答】
いろいろです。」

まだまだ油断は出来ませんが、もともとこの病気よりも排尿障害の症状の方に悩んでいましたので、お陰様で今は気分爽快でありますが、経過観察気を付けなければいけませんね。

慌ただしい年末になり、また今年は気温の変化も例年以上に大きい感じがします。
御忙しいことと存じますが、先生どうぞ御自愛ください。

そしてよいお年をお迎え下さいませ。

今年先生とのご縁がいただけましたこと感謝しています。
また来年もよろしくお願い申し上げます。

神晶坊 拝

投稿: 神晶坊 | 2016/12/14 18:12

高橋先生
早々の返答ありがとうございます。

他のことでは神経質な面もあるものの、なぜか病気に関しては無頓着といいますかあまり気にすることのない変な性分のようで、マイナスには考えていませんが、それ故に少しは気にしておいた方が良いのかと(笑)

難しいことはわからない素人ながら先生の理論は、これまでの不快な自覚症状の説明や一般的な総合病院等での診察 治療に疑問を感じていた患者側からすると、おそらく一筋の光明の如くうつる方が多いのではないかと思います。

そんな私も時間が許す限り過去記事を読み漁っては学ばせて頂いてます。

これからも無理せず先生のペースで価値ある情報を楽しみにしています。

回答ありがとうございました。
気にしすぎないように、少しだけ気にしておきます。

投稿: 神晶坊 | 2016/12/14 19:27

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