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第95噺(145噺中) 「夜尿症」

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先日の東京のゲリラ豪雨の際に、夜尿症研究会なるものに参加しました。おかげでビッショリでした。
夜尿症の線、専門家による講演を拝聴しました。
泌尿器科は一般的に夜尿症は、成長とともに自然に治るものだと思い込んでいます。夜尿症が心配な親御さんには、お子さんの成長を見守りましょうと説明していました。

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ところが、専門家による疫学的な調査では、そうではないことが分かってきました。夜尿症の頻度が少なくなるのは、7歳ごろまでで、それを過ぎると、定常状態になり、かなりの年齢まで夜尿症は続くのだそうです。さらに中年以降に過活動膀胱や間質性膀胱炎になる患者が高頻度で出現するらしいとのこと。
統計をさらに詳細に分析して、夜尿症の週の頻度別で分類すると、週7回、つまり毎日夜尿症のあるお子さんの改善は、年長になっても変化していないことが判明しました。毎日夜尿症のお子さんの成長を待つだけの経過観察治療では、期待が持てないことになります。そのようなお子さんには積極的に夜尿症の治療薬を実施しなければなりません。

従来の夜間に覚醒させるという夜尿症の治療は、おすすめ出来ないそうです。今では、抗利尿ホルモンであるバソプレシンの内服薬を積極的に処方します。効果があり、夜尿症の発現率が激減した時点で、薬剤を少しずつ減量し、服薬を中止するという方法です。通常6カ月ほどかかります。バソプレシンの商品名はミニリンメルトといいます。


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