進化とエネルギー変遷
37億年前に深海の火山活動の熱水噴出孔周囲にアミノ酸が生まれました。アミノ酸は周囲の地表にイオン結合し連結してタンパク質になりました。
気が遠くなるほど時間が経過し、タンパク質が結合し、化学反応を繰り返すうちに、循環反応が起き、一つの閉鎖空間が出来ました。単細胞生物の誕生です。
単細胞生物は進化し、海水中のマグネシウムを取り込み、葉緑体が出来、太陽光線の光子フォトンを二酸化炭素を利用してエネルギーに変換させる能力、つまり光合成を得ることが出来ました。植物細胞の祖先である藻の誕生です。ここで葉緑体を持たない動物細胞は、植物細胞を寄生、共生、依存する形になりました。
地球上に藻が大繁殖すると、大量の酸素が海水中に放出され、海水中の鉄分は酸化還元反応で酸化鉄になり、海底に沈殿しました。これが現在発見される鉄鉱脈の由来です。海水中の鉄分がなくなってしまったので、鉄呼吸をしていたほとんどの単細胞生物は死滅しました。わずかに生き残った生物が、今我々の細胞の中に存在すっるミトコンドリアです。ミトコンドリアは鉄呼吸でエネルギーを作るのです。
海水中に大量に溶けている酸素の酸化還元反応に強い抵抗力の持った単細胞生物は、エネルギー効率を高めるために、ミトコンドリアを取り込みました。ハイブリッド現象です。これが私たちの直接の祖先のゾウリムシなどの単細胞生物の誕生です。
私たちの住んでいる地球は、複数回氷河期を経験しています。その間に、完全凍結という地球の時代がありました。完全に凍りついた地球の海底では、単細胞生物が集まって身を寄せて細々と生きていました。その時代が何百万年も続くと、身を寄せた単細胞生物が、それぞれ役割分担をし、一つのまとまった集団を形成しました。多細胞生物の完成です。
多細胞生物は進化を続けます。機能が差別化し器官が形成されます。初めは口と肛門が一緒のクラゲやサンゴなどの腔膓生物が出現します。口と肛門が別々に発達して、消化管が完成し、現在の私たちの周囲に見ることが出来る基本的な生物の形になりました。
【参考】
とは」
生物の行動範囲が広がると、海の環境が常に一定とは限らなくなりました。カルシウムなどの活動に必要な電解質が足りなくなる事が生じました。そんな中で、カルシウムを体内に貯蔵出来る種が生まれました。その種は、硬い貯蔵庫を利用して活発に動けるようになりました。それが脊椎生物です。
脊椎生物は、さらに進歩して魚類になりました。魚類の胸ビレと尾ビレが成熟発達して、四足歩行の生物、爬虫類に変身します。爬虫類はさらに進化して、恐竜、さらには鳥類になりました。
環境の劣悪だった所に棲息した一部の魚類は、体温を調節可能な哺乳動物に変化しました。彗星の衝突により地球環境は激変し、大型恐竜のほとんどは死滅しましたが、環境に順応性のある哺乳動物は、細々と生き延び、現在の私たち人間につながるのです。
地球に降り注ぐ太陽光線を植物細胞が炭水化物という形のエネルギーに変換し、動物細胞が植物細胞を捕食することでエネルギーが動物細胞に移行します。単細胞生物から多細胞生物に変化してもエネルギーの移行は続きます。草食動物は肉食動物に捕食され、弱い肉食動物は強い肉食動物に捕食され、エネルギーは次々に移行し伝搬し広がります。
高等動物になるに従い、エネルギーの活用は物理的動きだけでなくなりました。それまで反射的にしか動作をしなかった動物が思考するようになったのです。思考することで、もっと複雑な行動が出来るようになりました。思考には感情が伴います。希望、喜び、達成感、絶望、悲しみ、恐怖感などいろいろです。つまり、エネルギーは感情というものに形を変えたことになるのです。
私たちが捕食しているエネルギー、すなわち野菜や炭水化物や牛肉を食べるように、私たちの感情を捕食する存在があっても不思議ではありません。生命が深海の熱水噴出孔から自然発生的に出現し、単細胞生物から多細胞生物に変身したように、人間の創る感情を食べる存在です。もしも存在するとすれば、それが神です。神はあらゆる感情を食べたいために、様々な事を仕掛けているかも知れません。恋愛、失恋、出産、病気、失敗、当選、合格、事故、災害、天変地異などいろいろです。これらの事で様々な感情が生まれ、それを神はエネルギーとして食べているのです。私たちの希望する感情を食べるのが神であり、私たちの回避したい感情を食べるのが悪魔です。神も悪魔も表裏一体とも考えることができます。単に立場が違うだけです。
旧約聖書を読み解くと、神には2種類のタイプが存在することが分かります。アダムとイブが智恵の実を食べたことにお怒りになって、エデンの園から二人を追放した神と、智恵を使って、この世界の真実を知ることを良しとする神の2種類です。つまり神には感情の起伏が少ないのを好物にしている神と、智恵によって生じる感情の起伏が大きいのを好物にしている神とです。
神の餌食にならないためには、感情の起伏が少ないのが良いのです。そのためには五感で生じる五欲とそれに関連する財産欲、飲食欲、色欲、睡眠欲を抑えることです。これは仏教で言う悟りの境地に準じます。つまり、悟り=仏陀とは神の餌食にならない存在とも言えます。しかしながら、この境地は非常に難しいものです。なぜなら、悟りを得たという達成感にしろ、悟りを得た喜びにしろ必ず感情が伴います。完成度も高い感情は、神には絶好の好物だからです。
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コメント
先生、先日は手術ありかどうございました。
面倒臭い患者ですみませんでした。
武田邦彦、中部大学教授の講演を聞いたことがあります。
その中で石油は数万年枯渇しないそうです、中東付近はたまたま地表に近い所に埋蔵されているだけだ。
優しさを謳う「環境」を主眼に置いた政策や商売は汚職だらけだ。
タバコと肺がんの因果関係は統計的に矛盾している、喫煙率の低下、分煙の促進が進んでいるのに肺がん患者は増加の一途を辿っている。
地球は温暖化ではなく氷河期に向かっている。
等々、大変面白い内容でした。
武田邦彦教授はエネルギーが専門分野ですが、私としては高橋先生と似ているな、と感じます。
正義感、公平感、判断の基準がなんとはなしに似ているな、と。
勝手な人物像の印象は失礼な事ですが。
このブログ記事を読んで面白いなー、と感じました。
http://takedanet.com/
投稿: 31356 | 2016/05/20 22:02