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物語を読む

自分の苦しむ様々な症状に患者さんは眼を奪われ勝ちです。
それは診ている医師にも同じことが言えます。
しかし、実際には訴える症状の臓器や器官とは全く無関係の場所が原因であることが多くあります。医師も眼の前の患者さんが苦しむ症状を少しでも取り除こうと必死に努力しますが、ついつい短絡的な発想をします。
例えば、手がシビレがあると頚椎か神経の病気を疑いますし、肛門が痛ければ肛門の病気と、胃が痛ければ胃腸の病気と考えます。ごく自然な発想です。しかし、このような発想で的確な治療が出来るのは80%くらいのものでしょう。20%くらいの患者さんは決して治りません。

病気の症状の発現には、空間的広がりと時間的広がりの二つの要因があります。その二つの要因を常に考えて診断、治療に当たらなければなりません。今、目の前に座る患者さんは、遠い過去から遠い未来に向かっている途中の一瞬の状態です。お一人おひとりの物語を読まなければならないのです。

悪い人と言っても、いろいろな人がいます。

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コメント

昨日は休日にも関わらず早速のご回答ありがとうございました。お陰様で血圧も144まで下がりました。
次の注射の際に主治医に今の症状や今後の治療方針について相談しようと思っています。
医療というのは病気を見るのではなくその人の性格も含めて人間全体を診るのが大切なのでしょうね。
日本ホリステック医学協会会長の帯津良一先生や理事の私の知人も常にこのことを言っています。
ただ現代の医学界からは疎んじられる傾向にあるように聞いています。
症状ごとに手順通りに投薬するのがスタンダードなのでしょうね。
高橋先生のような医師が増えると日本の医療も大きく変わってくると思います。
私も京都でいろいろな医療に関する会合に参加して、このことを深く感じ取っています。

投稿: 京都在住 | 2016/03/22 09:07

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