雨男vs晴れ女 雨男#2
結婚のずいぶん前、妻の実家では家族会議が開かれていました。
結婚披露宴はパレスホテルに決定していました。私の直属上司の先輩医師の親戚がパレスホテルの社長だったので、その紹介でサービスしてもらえることになっていたからです。
結婚式場は義父の懇意にしていた神官が務める明治神宮でと、義父が提案しました。しかし、義父の細やかな提案は敢え無く却下されてしまいました。理由は、私が実は雨男であることは、妻と私が付き合い始めた頃から妻の実家では周知の事実でした。その結果、文金高島田の姿で土砂降りの雨の中、明治神宮の玉砂利を傘をさし歩けないという理由でした。
そこで、結婚式場も結婚披露宴もパレスホテルで行うこととなりました。しかし、結婚式当日の雨は覚悟しなければなりませんでした。そこに、妻に強い味方が登場するのでした。誰あろう妻の祖母でした。妻の祖母は自他共に認める晴れ女だったのです。そして次のようにおっしゃったそうです。「私の力で雨を食い止めてみせる!」と。
結婚式当日、曇天の曇り空でした。そんな妻の実家の家族会議のことはつゆとも知らず、能天気な私は昼過ぎにパレスホテルに到着したのです。
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