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第67噺(145噺中) 「性格と病気」

患者さんの性格と病気は似ると私は考えています。
毎日のたくさんの患者さんを診察していると、症状がナカナカ治らない人も出てきます。そのような患者さんの多くがドクターショッピングされて、最後に当院を受診したという方ばかりです。
治らなかった理由は、それまでの医療機関が十分な検査もせずに誤診していた、安易に「気のせい」にしていた、薬だけに頼ろうとしていた、生活環境を無視していた等々、いろいろあります。

しかし、8割くらいの方は的確な簡単な薬剤で症状は改善しますが、中にはナカナカ治らない、症状がゼロにならない、改善しない、違う症状が出てきたという患者さんがおられます。患者さんから見たら、診断が間違っている、あるいは治療方針が間違っていると訴えてきます。医師の目から観れば、長期間にわたって症状の出ない未病の状態が長かったので、ひとたび顕在化した症状がそうた易く治る訳もないのです。私からが月単位あるいは6か月単位で改善すると申し上げても納得しません。

そのような時に私はこのように諭します。
「貴方は根性がありますよね?貴方は頑固でしょう?貴方は我慢強いですよね?貴方はしつこいネチネチした人ですよね?」
「ですから、病気も貴方の性格をソックリ反映して、根性があり、頑固で、我慢強くて、しつこくネチネチしているのです。」
「そういう医師である私も頑固ですから、私の慢性腎不全も決して治らにと思っています・・・。」
ほとんどの患者さんは、この説明で納得します。

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コメント

「あなたはネガティブで粘着質でしつこくて思い詰めて‥‥そういう性格でしょ?だから病気もあなたに似て、しつこいのです。あなたの個性が病気をつくっているのだと思います。」
初めの頃にそう言ってもらい、とても納得出来たのを覚えています。

自分の意見をハッキリ言うのは勇気も必要ですし、それ以上に相手を思う気持ち(愛情)がなければリスクを背負ってまで物申したりは普通はしないと思います。
時々、待合室で診察中の高橋先生の話し声が聞こえてくる事があります。患者さん、お一人お一人を思う気持ちが伝わってきて、この熱い気持ちの原動力は?それはどこからくるの?と、いつも思っています。

投稿: | 2015/07/17 19:15

性格が頑固だから病気も頑固で治らない! これは泌尿器科医師がよく言う 慢性前立腺炎は 気のせい とどう違うのでしょうか? 似ていると思います
【回答】
慢性前立腺炎は排尿障害が原因です。
排尿障害の治療もせずに、炎症の治療だけに専念するから治らない、治療抵抗性、頑固なのです。
排尿障害の治療をすれば、慢性前立腺炎の患者さんの7割は症状が軽快・改善します。
その中で、治りにくい患者さん存在します。
その患者さんの性格が病気と似ているといっているのです。
他の医師の言っていること同じですか?
癌の患者さんにも同じことが言えます。
あっさりと癌が治る人もいれば、なかなか治らない人もいます。
患者さんの性格を反映していて、頑固な患者さんの癌は、やはり頑固なのです。
あっさりと治ってはくれません。

投稿: 慢性前立腺炎 | 2015/07/19 16:04

癌が治りやすい 治りにくいに性格もあるのでしょうか? 癌のステージによって治る治らないと考えるほうが科学的ではと考えます
【回答】
ステージが進行する癌と進行しない癌の違いは科学的に鑑別できません。
前立腺癌の悪性度の高い未分化癌であっても、潜在癌として前立腺にとどまっている場合もありますし、比較的悪性度の低い分化癌であっても転移してステージが高くなる場合があります。
なぜですか?
科学と言っても、その程度です。」

性格を変えて慢性前立腺炎が改善したという事例を経験されたことはありましたか?
【回答】
ありません。
性格は、その人の特性です。
頑固な私の性格=頑固さが治らないのと同じです。

投稿: 慢性前立腺炎 | 2015/07/21 23:34

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