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「生きるために食べる」「食べるために生きる」

Imageこの一年間、何を食べても美味しいと感じることがなくなりました。仕事柄、製薬会社の勉強会の講師として呼ばれたり、研究会の講演会に参加したりすると、必ず食事の接待を受けます。その際、一流の料理屋さんや隠れた名店、有名ホテルで食事するのです。頭では美味しいものを食べていると分かってはいるものの、こころの底から美味しいと感じていない自分を密かに認識していました。
そして去年の暮れぐらいからお腹が空かなくなり、朝食は残すし、昼は食べると夕食が食べられなくなるので昼食を抜くこともしばしばあって妻を困らせていました。この時期私は「生きるために食べる」を実感している時期でもありました。
結局、食欲不振の原因は、慢性腎不全によるナトリウム過剰貯留(塩分貯留)による全身浮腫(胸水・腹水・心不全・腸管浮腫)が原因の臨床症状だったのです。
入院して治療して、制限食にすることでナトリウム貯留は改善し、体重は12kgも減少したのでした。そのお陰で、今は何を食べても美味しいのです。低タンパク食で減塩食で、以前に比べれば味気ない筈ですが、本当に美味しいのです。朝起きて朝食が待ち遠しい、午前中の診療時間にはお昼御飯が楽しみで、午後の診察中には夕食の事が気になる始末です。今では、「食べるために生きている」のではないかと思うくらいの食欲です。
様々な病気で来院される患者さんの中には、「神様の罰が当たった」と病気を嘆く患者さんがいます。あるいは「悪いことをした訳でもないのに、何故罰が当たったのだろう?」とぼやく患者さんもいます。そのような患者さんに対して、私は「地球上に70億人も人間が生きているのに、神様がいちいち貴方を見つけ出して罰を与えるとお思いですか?」「写真、神様が貴方を選んだと思うのは、自分の存在価値に対する貴方の自信過剰です。」と諭します。
しかし、自分が今の状態を見るに、「何を食べても美味しくないね?」という私の傲慢さに、腹を立てた神様がお怒りになって、私に「何を食べても美味しく感じる!」という罰を当てたとしか考えられなくなってしまいました。明日は我が身です。
写真・・・鳥の唐揚げ、野菜の素揚げ、肉じゃが、コンニャクの甘味噌和え、血糖を抑えるゼリー、低タンパク米です。4月16日の夕食の献立です。タンパクは20グラム、塩分は2グラム以下です。

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コメント

去年の10月に高橋先生に手術をしていただいた際、直前に先生が小さなおにぎりを召し上がってらして、しかし、その時、なんだか仕方なく食べていらっしゃったように見え先生も「とりあえず何か入れておかなきゃね。」と、言われていたのが印象的でした。

私の亡くなった父はガンがあちこちに転移し食事をとる事が出来なくなり点滴生活になった際、「人間 は口から物が入らないとダメだ。」と、よく言ってました。

高橋先生、入院前、退院直後に比べますとはるかにお元気になられ熱弁をふるわれる、その眼にもの凄い眼力というものを感じます。
どうかこのまま、ますますお元気になられますように。

投稿: | 2015/04/16 20:27

高橋先生お世話になります。

「食事が美味しい」と言う知らせ、何か嬉しくなりました。
3月に診察に伺った時は、なんか先生元気ないなー、って印象でしたが、先日の診察ではニコニコして、お!先生元気だな。って印象でした。
しかも私の帰り際「お大事にね」を2回も言ってくれました。(笑)
カレンダーは予定でびっしりでした。
ふと思いました。先生は患者を救って、患者さんが喜んでる姿を見るのが生き甲斐なのかな?
生意気ながら、何となく同じ男としてわかる気がします。
奥様が「貴方は自分の事天使だと思ってるでしょ」っておっしゃったとか。

私は高橋先生の生き様が男として大好きです、同じ日本人として誇りです。

天使ではなく、大魔神かな??(笑)

投稿: | 2015/04/16 21:28

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