思い通りにならないのが人生
コンビニ書店でたまたま手に取った本の題名が「人生のルール101」でした。
時間潰しに購入して読んでみると、含蓄のある言葉が列挙されています。その中で今の私の気分のシンクロするのが、今回のテーマの言葉です。
著者が解説するところによると、自分の人生が全て思い通りになるとすれば、これ程面白くない人生はないでしょうと云うのです。例えば、テレビ番組でサスペンスドラマを観賞しているとします。事件が発生し、主人公が犯人を捜査している段階で、他の番組でも犯人役や犯罪者の役で有名な俳優が出演していて、見え見えの動機と凶器が画面から判断できて、実際その通りの結末のドラマだとしたら、面白いドラマだとお思いでしょうか?そして、毎回、そのような内容だとしたら、貴方は二度とその番組を観ないでしょう。
人生も同じで、自分の思い通りに事が運ぶとすればどうでしょう。勉強すれば必ず100点が取れ、成績はいつもトップ、希望する大学にストレートで入学し、もちろん特待生で、当然、一流企業や大蔵省に入省し、自分の企画したことは全て成功し、会社でも出世街道まっしぐら。口説いた女性は全て落とせ、幸せと思える結婚をし、遂には、企業の社長・会長や総理大臣になり、国から勲章を拝領こうするまでの人生です。どうでしょう?ワクワク出来る人生と思えますか?
それに比べて、私の人生は、親の思惑で小学校三年生で都心の進学校に訳も分からず転校させられ、中学校はそのまま公立の進学校に進んだものの、高校受験では失敗し三流高校に入学し、大学受験も失敗して、二年間浪人の末、私立の医科大学にやっと入ることが出来ました。
順調に進級し卒業、同級生の女医さんと結婚の約束までして、研修医の時に敢え無くフラれ、羽陽曲折があり今の奥さんと結婚し、大学を辞め救急病院に務め、自分の医療技術と見識を広めたと悟り開業しました。
開業後、順風満帆で思い付くこと考え付くことは全て当たり、「転職だ! いや天職だ!」と喜んでいたら腎不全になりました。ハラハラ、ドキドキ、ワクワクの人生です。毎日がスリルとサスペンスです。そこかしこに罠やトラップが仕掛られています。誰が味方で誰が敵か分かりません。味方だと思っていた人に裏切られ、恨みに思った人を後に感謝したこともありました。私の人生はこれからも続きそうです。結末や如何に…?
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コメント
人生って不思議ですね。
先生は過去の過ちを悔いたり、引きずったりはしないですか?もしあの時ああしておけば等考えたりはしませんか?
【回答】
そのように悔いたり引きずったり、「たられば」的な考えをしても、時間の浪費と無駄です。
過ちを今後の反省点にして進化するのなら必要な考えです。
反省をしないで同じ過ちをするのなら、それは愚行です。
人生には、思った以上の罠やタラップが仕掛けられているのでしょう。
神様は、その仕掛けに苦しむ人間を見て喜んでいるのかも知れません。
キリスト教の言葉で、「神は、その人が乗り越えられる試練しか与えない」という言葉がありますが、それは神様が仕掛けたということでしょう。
仏教の世界観では、この世は四苦八苦の世界だから、人は苦しみから逃れることができないと諭します。
その苦しみから解放されるために、修行して悟りを開いて仏という存在にあるしかないと説くのです。
そんな苦しみの娑婆で、全く過ちもなく順風満帆に行く人なんか存在しません。
もし、順風満帆に人生を過ごしたと思っている人がいたら、よっぽどの馬鹿か鈍感か、あるいは周囲の人を不幸にしている極悪人でしょう。
投稿: takada | 2015/06/15 23:35