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ブランコ

Hige4歳になる男の子が一人、公園のブランコで遊んでいます。
その子は、今までブランコが漕げない子でした。でも目の前の光景は、かなりの勢いでブランコが前後に振り子運動しています。
『いつの間にか、ブランコが漕げるようになったんだ!』とその子のお父さんは思いました。しかし、その光景に何か違和感を感じます。理由が分かりました。その男の子は足を全く動かしていないのです。足が微動だにしていないのにブランコは勢いよく前後に揺れているのです。まるで見えない誰かがブランコを後ろから押しているような・・・。
お父さんが息子のそばに寄って行きました。するとブランコは次第に揺れ幅が小さくなりほとんど静止状態になりました。
「ブランコが漕げるようになったんだね?」と言うと、その男の子は「お爺ちゃんがブランコを押してくれたんだ!」と言うではありませんか。お爺ちゃん、そのお父さんのお父上は数日前に癌で他界なさったのでした。孫がとても可愛かったらしく、孫のためにせっせと貯金もしていたのでした。

この日からしばらくして、お爺さんの49日がありました。その4歳の男の子は参加しませんでしたが、お父さんが帰宅すると、「お爺ちゃんは向こうでゴルフ友達が出来たから、もう来れない」と子どもから伝言されたそうです。

このお話しは手術中に患者さんから聞いたエピソードです。この男の子は今や24歳の社会人だそうです。

私も娘で同様の体験をしています。

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