第52噺 (145噺中) 「葛根湯」
漢方薬で一番有名なのが葛根湯(かっこんとう)でしょう。。
葛根湯の主成分である葛根は、葛(くず)の根から採取したデンプンとフラボノイドです。効能は発汗・解熱・緊張緩和を目的に処方されます。日本では広く風邪の初期症状の処方薬として人気があります。
私も風邪の引き始めには必ずこの葛根湯を服用します。すると、悪化せずに治まる経験を幾度となくしています。
健康な人に投与する場合は、頭痛・肩こりの治療薬として多用されます。中国では本来肩こりの薬です。その他、皮膚病・神経痛・大腸炎など、その守備範囲は広い漢方薬です。なぜなら、漢方は、病名で処方を決めるのではなく、気・血・水の3つの成分のアンバランスを調整させること病気の治療と考えるので、病名が異なっても調整するものが同じであれば、どんな病気でも処方は同じになります。
葛根湯には葛根以外に下記の成分が含まれています。
①大棗(タイソウ):ナツメの実、強壮・利尿・鎮静・他の薬剤の緩衝作用
②麻黄(マオウ): アドレナリン類似物質であるエフェドリンを含み、交感神経興奮作用
③甘草(カンゾウ): ステロイド作用があり、抗炎症・抗アレルギー作用
④桂皮(ケイヒ): シナモン、発汗・解熱・鎮静作用
⑤芍薬(シャクヤク): ボタン科の草の根、鎮静・抗痙攣・抗炎症・血管拡張・平滑筋弛緩作用
⑥生姜(ショウキョウ): ショウガ、発汗・鎮嘔吐・解毒・健胃作用
これら全部が含まれているのです。いかにも風邪に効きそうでしょう。そして、風邪以外の病気にも使用できそうではありませんか?
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