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第47噺 (145噺中) 「赤ひげ先生」

Akahige良医を「赤ひげ先生」に例えるのをよく見聞きします。患者さんに対して、いつもニコニコしていて心やさしい穏やかな人柄の印象です。果たして本当にそうなのでしょうか?

「赤ひげ先生」をモデルにした映画があります。黒澤明監督作品映画「赤ひげ」です。俳優三船敏郎さんが苦悩する通称「赤ひげ」医師を好演しました。江戸中期の格差社会の中で、貧富と病に苦しむ一般庶民を懸命に助ける医師が、赤ひげ先生の姿です。映画ポスターで分かるように「赤ひげ」は寡黙で一見不機嫌で近寄りがたい印象です。映画「七人の侍」「用心棒」「椿三十郎」などで主役を演じたあの三船敏郎さんが「赤ひげ」役です。どう見てもやさしい医師の正反対の医師の像です。そこには現実社会の不合理さと常に戦い続けている医師の姿があります。後世の人間が貧しい病人を助ける様を取分け拡大解釈して、親切で心やさしい医師と誤解したと思われます。

映画に登場するのは、医師、新出去定(にいで きょじょう)が主人公で、通称「赤ひげ」です。。小石川養生所の責任者である壮年の医師。口数少なく無骨だが、厳しい現実から決して目を逸らすことなく、徒労と知りつつも貧しく不幸な人々の救済を願い、医師として最善を尽くす人物です。
彼の考えの概略は次のようです。医師は病気に対して全く無力であり、そして病気の根源には必ず貧困がある。そのため、金持ちからは大した治療をしなくても法外な治療費を請求し、貧乏人には無償で治療する。

実際に「赤ひげ先生」のモデルは存在します。江戸中期、幕府が作った小石川養生所に実在した医師小川笙船です。いつもニコニコ優しい笑顔の先生を「赤ひげ先生」と思っているのなら大きな誤解です!本当の「赤ひげ先生」は病人に対して真摯に取り組み、先の見えない道を真実を求め必死に歩き続けているような哲学的な人物です。一般の人が見たら変人です。私も眉間にしわを寄せ寡黙な人間でありたいと思っています。

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